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決できたはずだがそんなことはない。
ヒト・モノ・カネすべての移動を規制せねばならず規制した先に何かがあるわけではない。大地、大空、大海何一つ管理もできない大自然の前では人間は無力なのだ。無力だからこそ、人はヒトを尊び、互いに敬意を払うことを忘れて、俺が私がと前に前にごねれば国家は滅ぶのだ。悲しいことに人類は人類を滅ぼすに足りる地上の太陽、叡智の太陽を得ても太陽の周りにへばりつくスペースデブリにしかなれなかった。人の手は手を取り合う事もできるだろうに……しかし、争う道を選んだ。己の理想や思想を押し付け殺し合うのは醜いが、互いに相手の理想や思想を違うと認識できるのに、考え方を変えろと互いに火を振るう愚かな愚かな選択肢を選んだのだ。
それらをこのバークマンは解決はできないだろう。それが解決できるとすれば、明快に問題点を問題として定義をして、問題だと皆が認識することでしか解決はしない。差別や貧困などもそれを規制する法律を作ったところで人々の意識が認識が変わらなければ単なる文章でしかないのだ。全ては人の意思だ。そして、同時に大自然や星の法則や意思を理解できなければその理想も人の意志も無駄になる。思いだけでも力だけでも駄目なのだ。ヒトが人に成るためにはそれらが必要だろう。しかし、こんな事を考えたところで、文章などにこの考えをまとめても俺がわかることだからみんな分かってるよな。こんな話は多分いらないだろうな。
「帝国を帝国民に取り戻せても、然りとて人は死にます。国が残っても、人がいなければ意味がない。小官はたとえば敗戦をしたとしても、帝国自体が無くなったとしても、泥水や靴を舐めたとしても人が生きている大地が必要だと思います。人が居なければ国家や地域は成立しない。重要で一番の要素にするのは人々です。国家ではない。人さえいれば国家はいずれは再建できます。我々は国破れて山河ありとはしないことでしょう。たとえ、一時の恥や虜囚の身になろうとも街を守ることが仕事でしょう。我らが必要とされるのはそういうことではありませんか?」
それだけだ。勝てればいいが勝てなければ勝たなければいい。ただそれだけだ。理念や理想のために国民を犠牲にするのは本末転倒だ。人々はこの程度で滅びはしないさ。希望という星があればそれを目印に進むだろう。
「たしかにそうかも知れん。だがもう遅い。緩やかだがフランソワに秘密裏に動員がかけられた。予備役の招集だ。フランソワだけではない、あのアルビオンもだよ。これは既定路線だ!大戦のラッパは鳴らされたのだ。あとは負けないようにするしかない。私も貴殿と同じ考えだよ。しかしだな、ジシュカ。人類を食わせて足りる大地が少ないのだ。叡智があろうとも志があろうとも腹をすかせた子供のためならば、私はどの様な汚名も何も受けよう。政治家が始めた事を我々が拭
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