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帝国兵となってしまった。
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 「確かにな。貴殿には新しい任もあることだしな。即応部隊の人事はリーデルにしておこう。」 
 何を言ってるんだこいつ?いきなりすぎるだろう。どこにいけと言うんだ?おかしいなブラック企業みたいなやり口やめてくれよ。転勤族ってレベルじゃないぞ!サイコロでなんか決めてないか?そうじゃなきゃそんな速度で決まらないだろ。海外の入国管理官がパスポートにスタンプを押すときくらいの速さだぞ。おかしいと思わないのか?何だこのスピード、官僚組織なのに手続きが早すぎるよ。

 「しかし、それは身支度していたあたり、この自体はわかっていたのだろう?ジシュカ、貴官の提言通りに物事は性急に進んでいる。それでだ、あの話のとおりになると思われる。従ってフランソワとの国境近くの師団の指揮してもらいたい。そこで奴ら、フランソワの主力を受け止めて、それを初撃で一網打尽にするわけだ。特に今回の任に当たって貴官は少将に昇格した。開戦と同時に中将になる手筈だ。つまり、総動員が済むまでの間を耐えきればいい。もう、民間会社、鉄道、果ては航空関連から海運関連にも決定は下った。ダキア、イルドアなどにも要請は済んでいる。開戦と同時に彼らも自動参戦だ。まぁ、フランソワが動くとは露にも思ってないだろうが、参戦させてしまえばこちらのものだ。一蓮托生だよ。この国で生まれたジンやシュナップスと同じだ。一度水で割ってしまえば再度蒸留しなければ離れられんさ。しかし、蒸留するほどの火力が本国に向けられた時に彼らは抵抗しないわけにいかないだろう?彼らはもはや兄弟だな。地獄に行くなら一緒に行ってくれるさ。ついてくるしかない。だから、今回は必ず帝国は再び‥‥。」
 そう言うとバークマンは酒を飲んでいた。それを見ると人為的にギリギリ気付けに使えて勝手に兵士が飲まないように不味く作られたシュナウズウイスキーだ。消毒液のような香りと人為的な甘さが残り、最後はアルコールの苦味が口の中を荒馬の如く駆けずり回ると噂される品だ。

 頭がいいのか悪いのか分からないが20%のみウイスキーで残りは蒸留酒と安い地中海ワインなどを混ぜて作ってあると言われているが定かではない。あんなものよく飲むよな、やはりバークマンはおかしいのではないか?

 「あぁ、これか?最近噂のシュナウズだよ。これを飲むとかつての敗北の味を思い出せる。あの苦い土と煙あの味だ。あの中で飲まされた気付け薬を思い出させる。大地の味だ。我々帝国は大地に根ざした陸軍国家であるのだ。この大地に力が集まり、土が人間を作り出したなら大地が作り出した帝国はもはや人である。その人が創り出す集団こそが国家なのだ。つまりところ、この世界でこの国と対等と言える存在はフランソワとルーシーだけだ。他の国は作りが海洋だ。海から生まれた国と大地から生まれた国。同じ様に見えるが海洋からできた国は拠
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