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。何より、帝国議会は富国強兵・殖産興業・大陸の楔の三本柱で動いており、繁栄の大曲線と言われるものを画策していた。
現代のシルクロードと言われるものであり、帝国はアラブとの連携を強化し、俺が知る世界のイランイラク程度までを支配下に押さえて、秋津島とインド的な地帯で合流するライム崩しを画策している。
帝国は外洋艦隊も持っていないのにだ。帝国の誇大妄想癖は留まることを知らず、世界に冠たる我が帝国と口々に言う。世界領土はフランソワのほうが持っているのに。単なる陸封型のマスみたいなものだ。大海を知る鮭には大きさも強さも勝てないのだ。結局のところ誇大妄想に終わるだろう。しかし、帝国は艦隊運用型の安価で航続距離が長い駆逐艦と巡洋艦、水雷船を整えつつあると聞いた。
沿岸用の航続距離とコストを犠牲にした質重視の艦隊から本格的な数による運用を行う艦隊に変わりつつある。などと考えているうちに呼ばれていた近衛師団本部が見えてきた。
「相変わらずだな。」
とても古く見える石造りの館、しかし、これはそろそろ建て替えられて鉄筋コンクリートの対空陣地も取り入れた基地に変わるというのだから、バークマンは大胆な男だということだ。
「お待ちしておりました。」
若い士官だが、階級章を見ると少佐だ。ロビーに案内されて電灯の下で明らかになったブレストリボンを見ると上陸作戦、降下作戦、防衛陣地、白兵戦など技能徽章は10以上はついている。こいつは危ないやつだ。俺のような一般人とは違う。
「どうしましたか准将どの。それにしてもその徽章は壮観であります。」
そういえば俺も機甲戦や特殊戦、野戦陣地、無線士なども増えていたが俺のは見せかけだけだ。本当の戦争や機甲戦はもうすぐ始まるのだから、俺のは偽りだ。何十両で撃ち合うような戦いをしていない、これから本当の戦いが始まるんだ。
「こんなもの見せかけだけだ。誰かの死の上に成り立つ勲章なんてものは虚しいだけだろ?それにこれから役に立つかもわかりやしない。単なる装飾品さ。メッキだよこんなものは。本当の勲章は窓の外にある。人々の営みの明かりが勲章だよ。これが無くなったら何のために軍はあるんだろうな?イスパニアで強く思ったよ。人が人らしく生きて死ねる社会こそが一番の勲章だとね。星を欲して手を空に伸ばすのは無知かもしれないよ。人の暮らしこそが星々だからな。」
現代社会での暮らしを思い出して、少し憂鬱にいってしまった。元の世界に戻りたいものだ。こんなことをやってるよりもだ。
「小官はやはり‥‥いや、やめておきましょう。戦いの神に愛された男と言われるのは中々難しいのですな。」
歩きながらそう言われたが、それは間違いだ。俺が好きで戦ってると思われては困る。
「こんなことばかり上手くなっても仕方
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