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出世の目があまりない平民出身の尉官や下士官の志願者達である。旧大陸では血統で決まるとされている。現に共和国の将校の大半以上が貴族階級であり、ルーシーの軍ですら元貴族階級などが多い。それに閉塞感を覚えている兵士たちがバークマンの誘いに乗ったのだろう。バークマンは扇動の天才だ。
現実と閉塞感に反発するバネの様な平民軍人を基幹戦力として義勇軍に使っている。それだけでは義勇軍だけしか戦っていないことになるが、いちばん重要なのはルメリア内の革命戦力がなぜ戦えたのかということだ。
イスパニア内戦やダキア騒動で鹵獲した兵器にダキアやイスパニアの旧式兵器が大量にある。それらの兵器を中心にまだまだ帝国には使い潰せる兵器は沢山にある。現実にまた帝国の旧式兵器、イルドアの旧式兵器があのイスパニアに流入していたこれらも賠償金代わりにバークマン帝国解放司令部は回収している。それに敵側にいたルーシーなどの義勇兵の鹵獲装備もある。まとめてこれらがカマルに供与されたのだろう。カマルはそれを持ってエルディンを説得したに違いはない。帝国の後ろ盾と武器、義勇軍と内戦になってもダキアや帝国が敵対しないという外交状況お膳立てが出来ている。
それはそうとこれまで考えたのはバークマンやカマル側の話だが、じゃあ企業や青年将校がなぜルメリアに関心があるのかと考える。
そこにあるのは彼らがダキアを帝国本国の一部としてみており、石炭と石油、ガス、岩塩にわずかながらも金銀を算出するこの地帯を守るべき資源地域、国防ライン、帝国本土に対する盾として認識している。そして、ダキア人の低い人件費からくる食肉や農作物は帝国の食料庫の一部を担っている。延長として本土を守る盾の地域の拡充。何より、ルメリアを抑えることで黒海東岸をバスタブにでき、海峡を抑える権利はバークマンじゃなくても帝国軍内では議論に何回も出るほどには、帝国が欲してならなかったものだ。バークマン自体は一番にルーシーを嫌っている。
逸話として聞いたのは、バークマンはルーシー内戦終結後すぐにルーシー亡命者からなるルーシー義勇軍の補佐に回ったがそこで負けたのを未だに引き摺っているらしい。あのときにバークマンは一度死んだらしい。魂はルーシーに置いて来たと言って憚らなかったようだ。
帝国サイドに入る帝国、ダキア、イスパニア連邦、秋津島、イルドアの国々は共通工業規格と共通軍事規格を共有を始めていた。不穏な話がある。それはイスパニア内戦に対して、援助する為の秋津島の歩兵銃が帝国に10万も到着していたが形式主義的官僚制度に足止めを食らって余っていたのも知っている。一説には秋津島の旧大陸への影響力を抑えるために帝国議会が妨害したとも言われている。それらの余っていた兵器も秋津島との親善名目で皇室予算から買い取りが行われた。その歩兵銃
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