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帝国兵となってしまった。
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鏡の反射で最後の目を見れなかった。そして、俺はなんと声をかけたらいいか分からず適当に答えた。

 「だとしても、同じ空、同じ天を仰いでその下にいる。それは例え思想や国が違っても人は大地に育まれ、天の下に育ち、母なる海や川の恵みを受けてその体を作り上げる。その連鎖が市町村を作り上げて、市町村が合わさり国ができたのならば、また会えるだろう。そしてわかり合えるだろう。そうでなければなぜ人は人を愛するのだろうか?わかり合えないのが優しさならば、わかり会えるのも優しさのはずだ。つまる所が世界は愛と感情で出来ている。合理主義ではなく、人の慈しみや優しさ、愛こそが世界を支える力なんだよ。力を振り回すのではなく、力を受け入れるのもまた力が必要だ。レルゲン、君なら出来る。ここからの物語はお前が始めるんだ。これはお前の物語だ。」
 レルゲンが目を見開く、そりゃあ空気や相手の感じに振り回されて訳の分からないことを長々と声がけにしたらそうもなるよな。笑えよ笑われたほうがまだマシだよ。

 「准将は優しいんだな。だが、帝国参謀部は合理主義で行かせてもらう。忠告は聞き入れた。」
 笑みを浮かべながらゼートゥーアがそう言うとレルゲンは再び苦虫を噛み潰したような顔になり、消えていった。呼び出しといて、それはないんじゃないか?こんな酷いことあるか?訳分からんことを言って滑って突っ込まれずに大人の対応されて軽く笑われて終わりとか。じゃあ、豪快に笑えよルーデンドルフなら笑ってくれただろうに、大人の余裕をそういうところで見せつけるんじゃないよ!
 
 一人残された俺はすぐに出て廊下で二人と鉢合わせすると気まずいので残った冷えたコーヒーポットと紅茶ポットで夜まで粘り、掃除に来た下級兵に「ヒッ!」と怖がられるくらいに時間を経たせてから、帰った。怖がらせた掃除係にはちゃんと謝ってから帰る。大人は謝れるのだ。

 帝国の夜は工業化が進む割には空が見える。月も星も、スモッグだらけではない。そういえばこの前、スモッグ対策のフィルターシステムや効率的な燃焼システムを国民の麦の会が開発したとか書いていたかな。夜空を見上げながら夜更かしをしたなと午前2時の帝国の石畳を軍靴を鳴らしながら帰路を歩く、夜はまだ帝国の首都には活気がある。この時間ならではのキャッチや娼婦がそこら中におり、警らすらしてないこの時間は帝都の首都を魔都のように見せるには十分だ。

 視界の端にあのとき見た甘藤が見えた気がしたが、気のせいだろう。あっちにはバークマンの下の帝国青年将校が集まってるように見えたが宴会か?夜の街には色んな顔がある。俺もそんなことを考えながら歩く冷たい夜風は心地よかった。

 鍵を開けて部屋に入ると電気をつけたまま、眠った。それは深い眠りだった。

 

 一ヶ月ほど、仕事もなく用意され
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