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帝国兵となってしまった。
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わるや否や、ぶれたように見える槍の先から一撃が飛んでくる。避けようと体はするがそれは間違いだ。正解は地上と違い、足は地についてない事で素早く何回も槍を突けない事から更に前に進むこと。死地に入らなくては何も得ない。そうだ昔から言われている虎穴には入るものだとな!

 何度かの槍先との出会いを終わらせ、ついに脇で槍を捕まえるとそのまま前に進む。フィアルトが槍を横に回し叩き落とそうとするがこっちは、前世でもジャイアントスイングをプロから受けたことがあるほど遠心力と馴染みが深いのだ。それぐらいではどうにもならない。

 「そうか!残念だったな!小僧!」
 フィアルトは槍を捨てて、短剣を出しこちらに突き刺そうと魔導刃を展開する。その動きは見切った!体を逆に正面に直す。

 「フィアルト卿破れたり!攻撃のために投げるわけではなく、自ら武器を捨てるとは!」
 気合を入れて大声を張り上げる。かなりの声に一瞬でこの一騎討ちに注目が集まる。そうだいい子たちだな。それが目的だ。いいか俺、兎に角我慢しろよ。残念ながら俺は指揮官で男だ。それに似たような状況のターニャのおっさんができたことが出来ずに何が指揮官だ!俺は今ここに彼らを勝たせるために立っている!実力で及ばないのならば、ふさわしいやり方がある!

 「なるほど。ほざけ!小僧!」
 向こうも急速に近寄ってくる。今度は逆だ。刀のリーチを潰すためにこちらにフィアルトが近寄らねばならない。だが‥‥。

 「いいから間に合えよ!」
 刀を捨てる。その行動に意表を突かれ、何かを感じたのかフィアルトは距離を取ろうとする。が遅い。

 「速度の性能は帝国の方が上のようだな。」
 距離を取れないと悟ったフィアルトは体を回し、遠心力を利用し短剣を俺の胸に刺そうとする。だからこそ俺は‥‥“回避せずに”腕で受ける。死ぬ程痛い。熱い、このクソジジイが!そのまま、押し切って短剣で俺の胸を貫こうとフィアルトが両手で押すのを見て、痛みながら笑った。退けば老いる、臆せば死ぬ。

 「何がおかしい!痛みで気が狂ったか小僧!?」
 いや、簡単なことだからだ。それは極めて簡単。逃げれば一つ、進めば二つ。このまま掴めば2つだ。

 「フィアルト卿、捉えたり!」
 相手の腕を捕まえて、より深く腕に刺させる。痛みに震えるし汗がでる。熱いのに寒気がする。だが、それでいい。一つではない。

 「まさか!!」
 必死に手を離そうとするが遅い。そして、肺から声を響き渡らせた。血の滴ることを気にもせず。俺とお前で2つだ。

 「見よ!これが帝国の‥‥帝国の勝利だ!フィアルト卿討ち取ったり!勝利の勝鬨をあげよ!旗を高く讃えよ!天を地に落とすほどに高く!高く!高く!」
 そして、自爆術式を起動させた。なぜ考えていたようにうまくい
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