27
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
こちらが作った野戦陣地から見える目の前の麗しのイスパニア共同体の首都への偵察のために、わざわざ敵からもわかるようにかなりの出力で防殻を小さく密度を高くしながら、こちらの塹壕の大地に立つ。
「きれいな町並みだな。それに‥‥。」
そして、辺りを見渡す。話に聞いていたよりはこぢんまりとした海洋拠点として必要な機能を詰め込んだように見える都市が狙うべき場所だ。イルドア軍の死体でデコレーションしてある。死体を野ざらしにするとは‥‥宝珠の映像記録にも残しておく。
その都市だが、中世に作られた城塞を基盤にして出来た都市だけあり、立派で近代の塹壕や土嚢に囲まれて更には旧式の戦車だろうか?それに土嚢とコンクリートをかぶせて作ったような即席のトーチカが並んでいる。それなりに遠くであるはずのこちらの塹壕の前に出て、よく見ていると俺の目の前に巨大な土埃が立つ。いきなりなんだ!これは‥‥あちらの要塞砲か?いや違うな、それにしてはズレすぎている。固定された大地からの砲撃でこんなにずれるわけがない。それか、よほど素人をかき集めたのか?
「ジシュカ中佐!今、航空偵察部隊より伝令!敵側の沖合に旧式戦艦と弩級戦艦などを確認、更に水上機母艦6隻を確認!特徴から連合王国のドレッドノート級とフッド級、フォーミダブル級、ネルソン級、ルーシーのガングート級2隻だと思われるとのことです!補助艦、輸送艦も多数!これは‥‥待ち伏せです!」
砂煙が晴れる。確かによく見ると沖合に黒い点が見える。あれら一つ一つが戦艦なのか!?それは置いといても、いや、今の状態はおかしい。俺がわかる範囲でしかないが、それでも奴ら連合王国の目的は、旧大陸を起点とした覇権維持のためにハートランドを抑えているルーシーと帝国の余力を削るために戦い合わせることだろう?
自らが演出した講和会議のために。待てよこの異常なまでの抵抗、まさか、進軍速度が早すぎて連合王国の第一弾の撤退戦に被ってしまったのか、それとも敵の増員!?こうなっては決断は早い方が勝つ!兵は拙速を聞くも、いまだ巧の久しきを睹ざるなりだ。それにしても兵士たちはまだ、俺の呼び名は中佐のままなんだな。まぁ、ある程度事が大丈夫になったらやめるからいいが。
「きゅうりが贅沢の国のブリキの艦隊が慌てて撃って来たところ見るとまったく相手も予測してない遭遇戦だろう。そうだな、よし、わかった。この浮足立っている敵を討つべきだな。敵艦航空攻撃部隊にはまずは輸送艦を中心に叩かせろ!俺の予想が正しければそこに敵の陸上部隊がいる。それを守るために相手の動きは遅くなる。あれらが撤退にしろ援軍にしろ陸に上がる前に叩いてしまえば、ただの武装がない客船と同じだ。自分の身で母なる海を全身で感じたならばこちらにお礼を言いたくなるほどスッキリとするだろう。こちらの陸
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ