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軍がいる。彼らの国にも知らせねばならない。この戦いは何なのかを。クーデター軍と共同体軍が互いに裏切り者を探して村を焼き払い合う。こんな世界を終わらせるために我々がいるとそこのジシュカ中佐が言った。その時が来たのだ。奴らに終止符の破壊のトランペットを吹く一人一人がトランペッターになるのだ。わかったな。」
えっ、なにそれ、みんな納得した雰囲気出してるが何だよそれ。わからないよ。結局前線送りか?なんでそんなに戦いたがるんだ?
「わかりました。ですが、少しだけ時間をください。」
心の準備が必要だ。なんの備えもなくいきなり最前線送りは辛すぎる。まるで俺が立派な軍人のように見えるのか?こんなに不真面目で不名誉な奴なのに。
「中佐、その時間はいくらかかる?」
シェルヒャーの冷たい言葉が飛びかかる。心の準備にか。
「1週間もあれば自分ならば1兵士として戦うようにでもしてみせます。」
自分をそうするには少なくても1週間はかかる。か弱き現代人なのだ俺は。こんな弱々しい俺は戦うのには慣れはしないし臆病なのだ。常にな。だからこうやって卑怯にも話せるのだ。昔からそうなのだ。あの学生時代から‥‥見て見ぬふりをしていたあの頃から。
「一週間でそうするとは大きく出たな!」
モーゼルが手を叩いて喜ぶ。なぜだ?レルゲンが目元を揉んでコーヒーを飲んでいる。一変した会議室の中でロメールが寄ってきた。
「ここの部隊は大して戦闘を知らない。それらを死の司祭にして見せるとはな。」
いや、なんでハートマン軍曹みたいな扱いを受けてるんだ?実際はプラトーンだろこの戦い。いや、キルゴアもどこかに探せばいるかもしれないがそんなことできるわけがない。
「そのようなことは‥‥。」
すぐにモーゼルが手でこちらの発言を止める。
「中佐、謙遜のし過ぎだ。君は今まで何をしてきた?この帝国で一番、戦術を知っている。君は7回も負傷をして生きて帰ってきている。対空陣地を一人で潰したり、殿をやったのだ。本来ならば本国で議会からの名誉勲章を貰うに足る軍人だ。しかし、君は貰わなかった。君は名誉よりも実績を重んじるのだろう?それは帝国軍人の質実剛健さを表した機能美だ。」
いや、知らないんだけどそんな話。リーデルだって、オルトーだってそれぐらいできる。
「それは誰だってできるはずです。」
これは否定しとかなければならない。勘違いされている。ターニャが勘違いされた結果、どうなったか俺は知っている。
「死ぬのであったらな。しかし、君は生きている。誰だって死ぬのはできるが生きて戻るのは誰だって出来るわけじゃない。それが私の経験からわかる。」
黙っていたヴァルコフがその重たい口を開いた。
「ライフルを担いだ兵士の山を、砲兵が作り出
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