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帝国兵となってしまった。
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 作戦案をまとめるとそれを伝令に渡そうと思ったが自ら運びに行くことにした。この場所は安全なのだからアルベルトに任せた。

 「久しぶりだな。」
 車は調達出来なかったため、馬を駆る。このまま、バロスロナを目指す。デジャヴュだな。またあの民族主義者に合わないといいがなどとある程度行くと飛行禁止区域を越えた。空を飛ぶ準備と馬を預けるための用意を始める。どうせ、反乱軍も共同体軍も派遣軍も大して好かれてはいない。

 彼らからすれば日々の食事があって、仕事があって軍が邪魔をしなければそれでいいというような無関心なのだ。動乱がありすぎて無関心になり、国民生活が担保されれば誰が統治してもいいというような境地になったのだろう。

 この大地が育む国民の中にもしかすると希望のダイヤモンドが埋まってるかもしれない。しかし、現実は彼をブラックダイヤモンドにしている。戦いは非情だ。常に人は無慈悲を強いられる。その強いられた先に何がある?人の墓だ。人間の墓場だ。人間が生まれる大地はない。

 そんなことを考えながら馬を走らす。いい子だ。可愛い。

 視界がひらけてくる。その先にあるのはのどかな村だ。たしかにここはこちらの支配地だが、気をつけなければならない。パルチザンと一向衆はどこにでも出現するのだ。もはや、人狼だ。人狼といえば首都警が必要なくらいボロボロだよなこの国家は。凄く残念だ。きっと戦わなくていい選択肢だってあったはずだ。

 だが現実はいつもこうだ。こうなっている。だから仕方がないのかもしれないがそれにとても腹が立つ!特に何もできない一般人の自分が!そう、いつも俺は一般人なんだ。しかし、物語がこうやって変わっているなら、俺が介入できる余地もあるはずだ。これは帝国が始めた物語だろ。今はただ前に向かってあるき続ければいいだけのはずだ。なぁ、そうだよなきっと。

 「えっと、どうしたんですか?」
 農夫に話しかけられた。がっしりとした身体、手はカサついていて固い。まさに農夫の手だ。これは軍人の手よりも立派な手だ。こんな立派な手は見たことはない。これこそが人々が望ましいとした働き者の手だろう。

 「いや、考え事をしただけだ。この馬の面倒を見てやってくれ、こいつの名前は‥‥。」
 頭絡のネームプレートを見た。ハンスと書いてある。「ハンスか。」と呟くと蹄を叩いて答えてくる。こいつ頭良いのか?

 ハンスがこちらの袖を噛む。なんだ、構ってほしいのか?引っ張られた瞬間に頭が冴え渡る。水が見える。水面が‥‥そうか。振り向きざまに拳銃を引き抜くと農夫側に向ける。

 「なにを!?」
 農夫の声を無視して引き金を引く。乾いた音が響く。農夫が腰をつく。それと同時に木の影に隠れていた兵士が倒れる。

 「こないだの連合王国軍の生き残りだろう。
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