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ちらも覚悟を決めるときが来た。共産主義にはわからさねばならない。かの邪智暴虐の限りを尽くす共同体に鉄槌を下すときが来たのだ。そうと決まればもう準備しないといけない。
それにこれが終わったあとに辞めればいい。まだ時間はある。引き金をこの戦いで引いてしまったからこそ幕引きもこちらがしないといけないのだ。持っていた万年筆を投げる。地図のマドリッドーリに刺さり、インクが広がっていった。
オルトー達が出発するのを見ながら、どうするか頭を回すがうまい案が浮かばない。まぁ、作戦計画書やイスパニア共同体の配置場所がわかるものや作戦書類を回収してきたから問題なかろう。
「ラジオでもつけるか。」
バチバチとダイヤルを合わせる音が鳴り響く、そしてイスパニア語の放送がかかる。イスパニア語はわかるが何を言ってるのだろうか?
『‥‥未明、駅であった爆発により、エンリコ将軍などを含む、十数人が死傷しました。先の襲撃とは関係があるかは調査中ですが、充満したガソリンと火薬が引火したものと見られています。大統領はこれにより頭を強く打ち、意識不明の重体で、かわりに首相のフエン・ネグーニンが非常時のために大統領を引き継ぐと表明。保有する準備高の貴金属の金をルーシーに譲渡し、武器の供与と軍事協力を記した条約を締結したと表明。ルーシー軍、1個軍団が向かっていると発表しました。そして、南部の叛徒達による爆撃の被害は〜』
そこでラジオを切った。つまり、エドワードがやっていたのは電気の電源を切ってあの武器庫にガソリンを撒いて充満させてから目張りをしたのだ。
で、何かわからないが目張りをされているから気になる。内部の電球は割れていて、それをつけたらガソリンと火薬がドカンだ。恐らく、辺り一帯がなくなっただろう。なんていうことを相手の中枢がほぼ無くなれば戦いやすくはなるが、講和はしづらくなる。この戦い。まだ続くというのか。
「つまり、戦いは続くんだな。」
コーヒーに砂糖を入れる。波紋が広がる、その波紋は円を描く、そうだ。波紋だ。波紋を起こすのだ。これだわかったぞ。
絶え間ない波紋は‥‥例えば雨は降り注ぐと巨大な湖すらも揺らがせるのだ。つまりは‥‥。
「浸透作戦。」
分隊規模まで散開させて、それに散発的な空襲をしてから、大空襲をする。これで相手は空襲が弱まったと思うはずだ。そこに大規模空爆による都市爆撃。砲兵の砲弾が瓦礫の山を作り、奴らの頭上に鉛玉を降らせるがこちらだって殲滅戦をしたいわけではない。つまり、彼らには彼らの事情もあるのがわかってる。ならばそれはそれとしないといけないだろう。
「人の意志が世界を変えることができると言うならそれが今だろう。慎吾。お前ならできるさ。いや、やらなきゃいけない。これは戦いなのだから。」
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