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帝国兵となってしまった。
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は上手くいくだろう!私には夢がある諸君ら全員と中央参謀本部の不味い食堂で料理を食べるという夢が!」
 各機から「勘弁してくれ!パン種とタマゴをくれたら俺が作りますよ!」「食材の墓だ!」「おうちで食べたほうがうまいぞ!」「おもひでにしかならないボロだ!」などと笑い声があがる。

「君たちの昇格は耳をすませば聞こえてくるだろう。隣だ!我々は千にも満たない集団で風の谷にいる。一人ひとりが戦記の主人公だ。イスパニアは崖の上にある。諸君らの宅配により、崖の坂からイスパニアを救い出せる。すべての共産主義の赤い豚を天空に動く城にいると思ってる奴らを地に落とす!風が立っている!君たちはどう生きるか?帝国に、いや故郷に実家にあの畑や石畳に山で川で草原で全てにおいて思い出があるだろう!その恩返しのときは今だ!イスパニアは土台が腐った納屋だ!ルーシーの威光を借りて暮らしている借りぐらしにしか過ぎない。星は買えないあの静かな空の上の星を!街という金色の穂波が作る人々の営みの星の海は君たちの腕にかかっている!星は我々とともにある!イスパニア共同体が囲い込んでいる人間には素晴らしき才能を持つ人間がいるかもしれないがそれを阻害しているのがイスパニア共同体だ!これは人の尊厳の戦いなのだ!最後に言う、国や軍に忠を尽くせとは言わない。我々が人間であるために人間としてヒトを‥‥そう、ヒトを救うのだ!これはヒトによるヒトのための戦いである!最後に言う!人の世は人で決めるべきなのだなら、やるべきことはわかっているはずだ!以上!」
 俺が座席に着くと加速をして機体が風を登り、気流の風の谷を通り、上昇する機体は雲の海を抜けてミルキーな雲を隠れ蓑にして、マドリッドーリを目指す。

 機体の機銃を確認するために各機が曳光弾を混ぜた弾を撃ち、銃弾が作る光線がまるで、雲を部隊にしたライブスタジオのライトのように彩る。だとするならばここからマドリッドーリ辺りにつくと降下するのだから、ステージの奈落に向かって沈んでいく集団か。奈落は奈落でも、その先にあるのはどちらの奈落なのかイスパニア共同体の奈落なのか、それともこちらの奈落なのか。

 雲を見ながら考えていた。こんなにも空は穏やかで、下は大地の風が吹く。月光が機体を優しくも艶めかしく、妖しく照らす。その光を頼りに全機いるのを確認する。今はこの光こそがこちらを導く救いの手なのだ。神の導きよりも苦難に満ちた闇夜の月光の中で考える常世への抗いから生まれる決断のほうが尊いのだ。何も知らない人のほうが全知の神の決断より意味がある。人が星なら神は何だ?太陽か、この月か?それとも大地か?いや違うだろう。神はこの世界には居ない、神が居るのならばなぜ人は争う?いや、神も子離れするべきだ。我々には我々の道理がある。神にも神の道理があるのかもしれないが、我々には関係ない
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