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帝国兵となってしまった。
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 上陸したイスパニアにはきれいな並木通りとレンガ敷きの道があり、オレンジの木が山に生えている。そう、こんな並木道などが丸々と残るほどに、ほぼ無傷でここカルタリーヨプラナを支配下に入れた。

 無傷なのはここだけではない。カルタリーヨプラナに上陸をするその前も、景気づけとばかりに近くを通過するからと挨拶程度にバレアレス諸島に対する砲撃を行った。行きがけの駄賃の筈だったが、バレアレス諸島のすべて守備隊はこちらの大艦隊を見て降伏した。

 これは予想外過ぎて帝国軍もダキア軍も急いで、後発のバレアレスへの占領部隊を送ると共に東地中海艦隊の本拠地となりうるとして要塞化を進める意向らしい。それに連合王国の元支配下だけあって充実した港湾があった事から補給線は確保されたと言える。

 カルタリーヨの占領地でそんなことを考えながら、歩みを進める。上陸軍には車が与えられている。それに戦車もだ。

 街を見渡すがどこもかしこも白旗を上げていて、先行する俺やアルベルトが指揮車に乗りながら、ほぼ新品の機甲部隊で街を走り抜け、郊外にあるホテルまで走り抜けると、通信であとから来た部隊がすぐさま各地の占領を開始した。
 
 「おい、嘘だろ‥お前‥。」
 と思わず漏らしてしまった。すかさずアルベルトに「現実です。」と言われてしまった。

 これには訳がある。上陸後にホテルを借り上げて作られた、高級な部屋で中にチェスボードやらビリヤード台などもある。この臨時遠征軍本部の情報処理室に入ると早速、参謀本部から手紙があった。あぁ命令書だろうなと思って、アルベルトと時計を合わせて開封する。

 その中身は支配地を柔軟に拡げよと言う白紙の手形のようなフリーハンド過ぎる命令と共に、世界情勢が書いてあった。

 実質的には現状の通知書というべきものである。この世界情勢についての通知には大変なことが書いてあった。

 ダキア騒動とイスパニア動乱の影で、特にイルドアが反共社会主義を展開してはいたが、ついにイルドアの政党が、イスパニアにかかりきりの共和国、連合王国、帝国もダキアすらもイルドアに手を出せないと見ると、行動を開始したようだ。挙国一致イルドア社会党が軍人や労働者を集めて約5000人による首都にデモ隊の進軍を開始。

 各地を巡る際に、喝采に包まれ、統一されて少ししか経っていないイルドア人は国家としての意識が低い、都市国家気分が抜けてない巨大な町内会か神聖でもローマでも帝国でもない互助会内部紛争蛮族サークルの例の国家?集団?程度の国家意識しかなかったのだが、彼らが推進する方針の新たなイルドア、国家イルドア主義により強烈にナショナリズムを高めていった。

 言ってることはファシズム的な何かではあるが、敵は国内の共産主義としているだけであり、帝国的には危険性は
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