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アホールを借りて、壮行会の宴会を開き、費用はすべてバークマンに押し付けると全員で客船に乗り、向かうのだが実はダキア兵だけは客船で、観戦武官や帝国軍人は軍艦に乗る予定だったようで、すし詰めの客船の中で士官室もなくダキア兵と寝食をともにしていた。
「ジシュカ中佐。なぜここに?」
名目上で貴族からきたカンタクジノやシェルバネスクは不思議そうに俺を見てる。彼らも単なるお付き合い参戦だと理解してるのだ。軍学校を出たならわかるがこの戦いは合州国、連合王国、帝国の地中海の入り口を巡る代理戦争であり、斜め上に欠席した卒業アルバムのようにフランソワ共和国が別撮りで乗っかってるのも理解してるだろう。当然、イルドアもルーシーも噛みたがってるのは理解するところだろう。
シーパワーという要所の制圧的にイスパニアは重要なのだが、土地が重要であってそこに住まう人などは大国にとっては霞にも等しく、だからこそ朝露のような存在になるのだ。ここにいるダキア人たちも、名目上はある程度保護するとは謳っているがそれは社交辞令であり、イスパニア人は無視されることも理解してることだろう。もう無茶苦茶だ。ダキア人もイスパニア人も皆等しく、大国のグレート・ゲームに巻き込まれたお客様なのだ。
「私はお客様だから客船にしか乗れないらしいのだな。」と冗談を言うと周りにいたダキア兵たちも笑い出した。
そんな航海はイスパニア海軍にも、反乱軍にも会わずに無事上陸できた。旧式の解体前の艦隊の払い下げの中古艦隊にしても、これらは列強目線であり、半列強準列強クラスのイスパニア艦隊、それも分裂した彼らにとっては冗談ではないクラスの戦力だ。
景気付けに全砲門から空砲が火を吹けば各地の勢力から白旗が上がり、それらに降伏を許し、こちらが乗っていた客船に詰めて、捕虜として貸し出してる扱いの帝国領へと運ばれるらしい。
そしてダキアに派遣された法学者の帝国の教授などが裁判をするらしく明らかに代理戦争だが誰もそれを指摘はしない。そもそも、こういうもので時代らしい。
一番被害が出る上陸作戦は凌いだが大丈夫かな?
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