14
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
寝るだけでついたような有り難みのないイスパニア首都マドリッドーリの脱出を終えて、イルドアの麗しの街につく。ちゃんと電信を送っていただけあって、文句はなかったようだが人だかりができていた。なぜだ?
水上機をしっかりとアプローチをして停止させるとストロボを焚かれて写真を撮られる。
近くにいた記者に問いかける。
「何だこの騒ぎは。教えてくれないか?」
要約すると彼らはネタ切れのところにダキアで有名になった憲兵のあだ名される俺が来ると聞いてネタがないから記事にするために寄ってきたということらしい。一瞬、ダキアのことがもう伝わっているのかと思ったがそうではないらしく、帝国に帰るために列車に乗らないといけないと伝えたが、最後に馬に跨った写真だけ撮らさせてくれとすがりつかれて写真を撮る羽目にはなり、それが終わると蜘蛛の子を散らすようにみんないなくなった。現金な連中だ。
フランソワの首都ぐらいにきれいな街並みであり、ラムネ色にも見える海が彩る景色は圧巻であるなどと思うのは置いといて、タクシーを拾って、駅に入るとそう言えば何も食べてなかったのを思い出して腹が減った。
汽車自体がおくれてるらしくまだまだ待ち時間は長い。美食の国に来ているから列車が来るまでは問題なかろうと駅内のイルドア人が発音にこだわるカフェではなくカッフェに入った。そこで軽食を頼むと出てきたのはレバーペーストなどのトラメッツィーニとチーズとサラミを挟んだサンドに付け合せにポテトチップスと岩塩が振ってあり、レモン果汁の爽やかな匂いもする。
しっかりと食事にワインが付き、更にデザートにチーズとブラッドオレンジの素材のままの一皿が出てきたがまだ満たされない。カプレーゼやマルゲリータを頼もうとするが店員から「しらない。」この一点張りでそうかないんだなと思ったがないなら作ればいいよな。材料を指示して作らせるのを決めると久しぶりの料理に心が躍る。これでも高校はファミレス、大学は昼間はピザ屋で夜はバーも兼ねるという謎の店で働いていたから身についたものはある。
妹が金使いすぎて飯が食べれなくなったときに食べるものを作るためによく一緒に買い物も行ってたよな。あいつ無茶苦茶だったが今生きてるんだろうか?米すら炊けないし、大丈夫かな?まぁ、なんとかするだろう。俺だってなんとかしてるしな。
そしてカプレーゼとマルゲリータを作らせるとちょうど汽車が来たからホームへ向かう。マルゲリータだけを紙包んで持っていく。特定の材料や概念を伝えれば大抵の人はこうなのだなと勝手に作ってくれる。馬鹿じゃないからみんなやってくれるのだ。やはり、多くの場合、人は素晴らしいよなと思いながら、新聞を手にすると未だに新聞はイスパニア事変を書いておらず、華やかなイスパニア軍の観艦式と式典に揃った軍
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ