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するがそれを止めたのはバークマンでもなく、皇帝陛下であろうその人であった。
「何者かは知らぬが何のようだ。この世界に冠たる帝国の皇帝陛下と知っての狼藉ならば聞くことぐらいはしてやろう。」
鷹揚さと寛大さを見せつけるような動作になるほどと思った。
こちらも恭しくエルトマンからの書簡を献上する。皇帝陛下はそれをバークマンに渡した。
「なんとこれは‥‥陛下!」
バークマンはそれを読み上げようとしてやめて、皇帝陛下に渡した。なんて書いてあるのかは知らないがエルトマンのことだ。当たり障りのないことを書いたに違いない。
「なんと!破廉恥な!バークマン、これは大変だぞ。伝えるために来たのだ。ジシュカだったか、バークマンから報告は聞いている。」
バークマンが皇帝陛下の意志を汲み取ったのか手紙の中身を見せてくれた。まさにそれは‥‥。
鬼気迫る描写に人々の意志などを書いた短時間で書いたとは思えないほどの文章で文才をヒシヒシと感じさせている。あのおっさん、外交官辞めて作家や詩人になったほうがいいんじゃないのか?正しく共産主義と多様な反乱軍に囲まれた男性を描ききってる名文だった。
可哀想にそう、悲痛な文章に彼らは信じ切ってしまったのだ。色んな国の貴族は伏魔殿と言うが帝国貴族は合理的なのが多く、純粋に騎士英雄譚のロマンに酔いしれてしまうのも多いのだろう。であるならば仕方がないことだ。合理的なロマンチスト程に怖いものはない。
「バークマン。帝国民救済にまた、お前の軍は動かせるか?」
皇帝陛下の言葉はこの国では重いのだがバークマンは「無理です。」と言った。
皇帝は目を鋭くするがすぐに理由を察したようで黙った。ダキアのときとは違い、イスパニアと帝国の間にはフランソワ共和国という農業国が産む軍事力を持った列強がいる。そして、軍事通行権はくれないだろうから、ドードーバード海峡を通り進軍と補給をするしかないが、そうなると連合王国や共和国は邪魔をするだろう。
共和国は分からないが連合王国は大陸が混乱するのを見ると興奮する生き物で、なおかつそれを愛とか言い切るボンドルドより度し難い生き物なのだ。全身が紅茶で出来てヤード・ポンド法を使う奴らは違う。世界に包囲されても世界が連合王国から孤立したとか言い出すのだ。あそこまで行けば連合王国なりの強がりなのだがそれを押し通すのが彼らの存在なのだ。
「陛下‥‥。申し訳ありません。しかし、私には思いつきませんが若い才がここにおります。そして、今一番イスパニアに詳しいのです。彼に発言を許しましょう。なぁ、ジシュカ少佐。いや、全権大使の手紙によると中佐かな?」
ふざけんなよバークマン、どうすればいいかなんか知らんよ。そもそも、内戦を手伝おうが共和国の後背地に同盟国なんか
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