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帝国兵となってしまった。
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起きろよ。最終だ。おい。」
 目を覚ますとあの老人が俺を揺すっていた。

 「すみません。悪いですね。ありがとうございます。」
 というと老人はニカっと笑っていいさと返してきた。気持ちがいい老人だ。立ち上がると足が不自由な様で引きずっている。慌てて手を貸すと「これでお互い様かな。」と老人はより笑った。

 「すまないね。政府の取り調べと反政府の奴らの取り調べでこうなったのさ。彼らは同じだよ。水面に映った化け物をお互いに殴り合うのさ。無意味なことにね。」
 それ聞きながら老人が言うままに町の教会に連れて行くと町の名前を確認する。ここはウェスカーだ。かつては要塞都市だっただけはあり、城塞などが多数ある。それ故に前世では同じような地点にあった場所はスペイン内戦時代に激戦区の要塞として戦ったようだ。

 となるとイスパニア内戦が始まればこの老人も巻き込まれるのだろうか?と思ってしまい、嫌な気分になった。外に出てタバコを吸う。紫煙が空に登り龍のように舞う。ドラゴンというより登りゆく龍のようだった。

 覚悟を決めるしかないようだ。なぜ毎回内乱に惑わされるんだ?おかしいよな俺は、いや、これは俺が始めたのか?

 わけがわからないままに走り続けるんだ。お前らの責任だよこれはでもやると決めた以上は背負って進むしかない。一度初めてやってしまったのは俺だから。ならばやるしかない。

 「登竜門か。」
 登竜門は急流を鯉が登ると龍になると言われていたが結局は清流派と濁流派の争いだ。それこそ銀河英雄伝説のロボスとシトレにも似ている。しかし、俺は登った山や坂の上が黒い雲のようにならないという保証はない。

 俺の行先は登竜門なのか?それとも坂の上の雲なのだろうか?だが、それは後世の歴史家が決めることだ。そして、また歩き始めた。ウェスカーから共和国国境まではたったの50キロであり、そこでようやく俺は飛ぶことにした。ここから飛んでしまえばイスパニアの中央は今頃よくわからないことになってるだろうから追っ手は来ないだろう。

 そして、そのまま低空飛行で飛び立ち飛行から1時間。そろそろ国境だと思ったが慌てて、高度を下げる。共和国空軍だ。

 領空侵犯しようとしてる俺をイスパニアの魔道師とでも思ったのだろう。そして何より、奴らに捕まる訳にはいかない。ガバガバイスパニョールならまだしも、彼らは軍人だから冗談ではすまない。越境行為はバレないように当て数十分も飛べばもうカルターニア地方だと思われるここからは人が多いために素早く降下して身を隠し、何気ない顔で民家にノックする。

 それにしても一回もイスパニア軍にバレないのはおかしいと思うのだが。

 「すみません。」
 出てきたのは若い女性と年をかなり刻んだ男性。
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