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ることはたいていやってるぞ。しかも、ダキアと違って本国から遠いイスパニア。フランソワは内部闘争が激しいから介入は大丈夫にしても‥‥だからといって俺は降りられない。
ピレネー山脈的なあの山を越えるしかない。鳥居強右衛門をやりながら佐々成政をやらねばいけないということか?エルトマンは大使館で反乱軍かなんか相手にご機嫌取りというわけだ。一人にかかる負担が、やることが多すぎる。
「では決定でしょうか?」
覚悟を決めるしか俺はないのか?がだ。政府側だからといって安心はできない。教会や資本家などから財産を没収している財産権もないマイルドスターリン主義みたいなのがこの共同体の政権の正体だから、こちらに見つかっても帝国主義者と吊るされそうだ。なんだってもう訳のわからないことに。
「あぁ、決定だ。少佐の健闘を祈る。」
敬礼をしてきたからには反射的に敬礼で返してしまったことにより拝命したという形になってしまった。もう引き返せない。半島から始まる帝国への一人で行う大陸打通作戦をやるしかない。そして、エルトマンから渡された書簡を手に自室に戻るとトレンチコートを着て、つるはしをとり、地下のワインセラーから下水道をぶち抜いてスタートだ。もうこんなことはやりたくないが仕事だからやらねばならない。なんで‥‥なんでこんなことを?
「忌々しい。」
下水道は意外と想像よりは臭くはなくまだ我慢できる。そして、コンパスを手にまずは川に出ることを優先させる。ここまでくると野戦と同じだ。というかなんで、大陸打通作戦しないといけないんだ?
このまま、行く方をくらましたって『助けてくださいよ、大佐。』そんな風なコレクリウスの姿が過ぎる。そうだよなまだ、俺は降りれない理由があった。俺には罪があるのだからそれを直視しなければならない。それこそが俺の仕事だから。
そして、俺は走った。ただ我武者羅にあの地下道を思わせる作りの下水道の中をただひたすらに。途中、ルパン三世みたいだよなとかこの世界にも下水道のワニの伝説なんかあるのかなとかよくこんな中をIRAやアルゼンチンの銀行強盗が走れるなとも思いながら。
「そうか。これが俺みたいな罪から逃れようと忘れようとする俺みたいなやつにはモグラはお似合いだよな。」
などと独り言を話してしまった。悲しいだけでもない。全ては運命なのだ。運命だから仕方がないと諦めてもいいが俺はコレクリウスたちに諦めるなといった。ならば、なぜ俺は諦められる?否と言うやつなのだ。俺は諦める訳にはいかない。
それに反乱軍とやらが成功する可能性があるかはわからない。そして、ここにはどうやってもやるしかない仕事の山があるならばこれは幸福だよな。じゃなければこんなことに時間を割いてはられない。手にしているシャベルを握りしめると出口に
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