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帝国兵となってしまった。
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 中央参謀本部を走りながら、レルゲンを探す。堂々と背筋を伸ばして歩く。常に堂々としていれば大抵の人間は疑問を覚えない。途中遠目にゼートゥーアとルーデルドルフらしき姿を見た。戦史資料室と書かれた部屋に入る人影を見た。その後に続くのはあの眼鏡の形はおそらくレルゲンだろう。
 
 偶然を装い、歩いて戦史資料室に入る。中は古い紙の匂いとインクの匂いで満ちていた。そして、人影に探りを入れると気配を感知して偶然を装う。

 本をわざと落とし、物音に「誰だ?」などという声を上げて来たのはやはり、レルゲンだった。

 「少々、本を落としてしまって申し訳ない。フリードリヒ・デニーキン・フォン・ジシュカ少佐であります。貴官は?」
 その言葉にレルゲンが目に力を入れたのがわかった。どうしたんだ?俺がなにかしたか?そして、落とした本を渡す。

 「小官はエーリッヒ・フォン・レルゲン少佐だ。この本はロマノフスキーの‥‥貴官はバークマン近衛中将からの命でここに来たのか?」
 一応、そういうことになってるので「そうですが。」と返事をすると「なるほど。」と返される。コミュ障かなにかか?そう考えているとレルゲンはこちらをじっと見てくる。何だこいつ、喧嘩番長じゃないんだからメンチ切られても何も始まらないぞ、ポケモントレーナーのほうが目と目が合わなくてもバトルが始まる理不尽仕様だが。

 「貴官は、バークマン近衛中将をどう考える?」
 いきなりなんだよ。若い部下と話題がないからって脈略もなく話を振る中年か?バークマンについては知らないよ。ロメールに聞いてくれ。

 「部下想いとは言われてますね。一般的には。一兵士からは親父とは言われてます。あとは、帝国主義というか。」
 それ以外は俺はよくわからん。話せばわかるタイプといえばタイプだがあんな風に振り回されるのは御免だ。それにあのおっさん、たまに狂気が見え隠れしている。

 「あれが、あれが!帝国主義だと!帝国的だというのか!」
 帝国主義者以外の何者でもないだろう。縦深防御のための土地を確保するためだけにダキアをああやった訳だし、それにトルコ相当の場所やついでにウクライナ的な場所まで欲しがっていて、防衛のためには必要と言い張っている。

 「レルゲン少佐。あれが帝国主義の正体です。策源地や防御陣地を求めて活動をして、商業圏の拡大を人々はしたいわけです。帝国国家の正体は商業圏の拡大と本質的には外敵を得ることで内部の不満を発散させる行為にあります。文句を言う相手をぶちのめせば気持ちがいい。スカッとする。そんな国家の住人の自分は優れているんだとね。だから、みんな戦争が起きる前や起きたあとはイケイケとか騒ぐ。しかし、終わらせ方は誰も知らない。優越感による多幸感が目的で、それ以上のものはないわけです。いわゆる薬
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