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帝国兵となってしまった。
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のだしな。ターニャおじさんが居たらそういうものと納得してくれるだろう。ロジカルに戦いが起きるわけではないがロジスティックスが発生しない戦いなんてないし。

 「文学的に言えば、戦争から輝きや煌きやら英雄が織りなす戦術的な活躍と魔術的な戦争美術で作り出す大戦術が作り上げる美がついに勝敗を左右するのではなく、国家戦略や国家思想、大戦略、国民の帰属意識、ナショナリズムを始めとする民族や国家意識。それ以外にもパトリオティズムと言った愛国心や忠誠心そういった一種の国家を縛る呪術じみた形を持たない社会法則的な概念に、物理的な法則が作る戦術や大戦術が立場を奪い取られてしまうのが近代戦争です。」
 そしてと続けて左手を上げて、握ってからそれを俺はそれに気づいて手を離して、ごまかすために目元をもんだ。


 「国民を納得させれないのなら決定的な敗北まで軍や政治家はどこまでも白骨の鉄道を作り上げ、さもそれが素晴らしいことかのように謳い、国民に戦時国債を買わせ、時には軍票すら配りそれでも足りないと中央銀行に無理やり債権を買わせて、政治家は戦争を継続させるでしょう。民意がある限りは戦争は終わらず、民意がなくなっても今まで失った人員や資源を惜しんで軍や政治家は戦争を継続させるしかなくなるでしょう。それは不完全な終わり方で問題は解決してないゆえに終わらないワルツを踊るようなものです。」
 そして、また気がつかないうちに首元についた鉄十字の勲章を触っていた。そして、それを離してレルゲンの首元を指差す。その後に胸を指さした。

 「例えばかの有名なアレクサンドロスや、カエサルや、フリードリヒ大王、東洋で見ればティムール、チンギス・ハンやらアッティラ、呉起や白起、韓世忠、楊大眼、陳慶之、岳飛、李靖、韓信、李牧などが兵士達や民と一緒に時には危険と飯を分かち合い、軍馬で戦場を駆け巡りその動きこそが帝国の運命を決し左右し人々が夢に抱く物語を作り出す。今やそんなことはもう、なくなっております。近代国家においてのこれからの英雄は、安全で静かでいて物憂い事務室の中に鎮座していて、タバコをふかしながら敵は資料や決裁書で、周りには兵や将軍に取り囲まれることがなく、書記官達に取り囲まれて座る。」
 それを聞いたときにレルゲンの眉が動く。そして口を開こうとするレルゲンに手で待ったをかける。もう俺はわけがわからないがこれを喋りきらないといけない。そうじゃないとおかしなことになる。


 「そして、戦場のそう多分ラインあたりでしょうかまたは帝国の北の半島やルーシーとの国境、イルドアかもしれないが、一方で何千何万いや何十万という兵士達の戦列が、そこにもある電話機が出す一本の通知や通信が奏でる打電によって、そう機械の力によって殺し殺され、この世から息の根を止められるのです。これから先に起こる戦
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