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外から聞こえる人々の大声を無視すると目的の自室についた。帝国旗を襷のようにして縛る。そして、重々しいチェロケースを開けて、その中身を取り出し選別する。
その中身は数年前に話をしていた銃身が切り詰められたオートマチックライフルとその隣には水道管をこねくり回したような鉄の塊で可動部は少ない短機関銃。そして、デリンジャー。
本命の最後のチューブ式の散弾銃のポンプアクションがガシャリと音を立て準備が終わったのを鳴り響かせ、背中に背負うと暖炉の火かき棒を蹴り上げ手に取る。持っているものがどこかの世紀末イニシャル戦士のようだなと思いながら軽く振る。戦いを決めると覚悟を完了させた。覚悟は決めるためにある。そして決めると思ったら完遂させるまでただ愚直に進めればいい。それが人間だ。
「人が人を裁かずに神が人を裁くというのならば、人はなぜ近代だと言えるんだろうか?」
存在Xがどういう存在かと考えるが人が人を裁かねば人の世ではない。神の恵みや気まぐれに振り回されて遊ぶぐらいならばそれは単なるおもちゃに過ぎない。人は人間であるべきなのだ。そうだ、そのためには俺は歩みを止めてはいけない。俺の軽はずみな行動が地獄を作ったのなら俺はそれを止めねばならない。
地獄の責務にせっつかれて尻を蹴り上げられて、頭を泥水に突っ込み死に絶えようとも決して、曲げはしない。
俺の責任は俺だけのものだ。背負いきれなくてもそれを載せて歩むぐらいはできる。そのせいで例えば自分が滅びようとも自分らしく、自由がありそれでいて退かぬ媚びずにただ歩み続ける。その先は地獄でも一筋の希望の光があり希望があるのならばたとえ、この世がパンドラの箱であったとしても唯一残った希望に向かい、星を見つけ歩くのが責任であるはずだ。
それに星は皆の心の中にある。どんな人間も全ては星なのだ。そうじゃなくては我々は何を道しるべにこの世という航海を続ければいい?そうだ。星の導きが人々の航路を作るのならば‥‥そうだとするならば俺は進む。自分が奪った星の輝きを無駄にしないために。皆誰かの家族で星々なのだ。
それを奪う責任は自分だけでいい。コレクリウスらに背負わせるわけにはいかない。自己満足と自尊心に吐き気を覚えるが可愛そうだが奴らに引導を渡す。そうじゃないと俺の罪は消えない。いや、罪は消したり償うのではなく背負うべきものだ。棺桶の中にまで持ち込むためのものだ。
最後に葉巻をわざと肺まで吸うとニコチンの覚醒作用と鎮静作用で頭が冴える。
そして、支給されている噛みタバコや嗅ぎタバコも紙タバコすらも持つ。たとえ自分の身を滅ぼすことになろうとも戦う。戦いの先にこそ道が続くのだ。
そして、窓から見える黒波の人だかりに全権大使が熱弁を振るっている。それを持ってしても止まれ
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