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取り憑かれるとわかっているようだった。
すわ唐突に爆音が聞こえる。見るとルーシー大使館の方だ。ルーシー大使館が砲撃により焼けていた。そして、乗り込む群衆と旗を見ると鉄兜団だった。
「焼けている。なぜなんだ!」
誰かがつぶやくのと同時に秋津洲皇国大使館が流れ弾で吹き飛んだ。そちら側からはダキア大学の旗が見えた。アイツらだ。何をしてるんだ!?
鉄兜団とダキア大学の学生デモ隊は名物の直進行軍でもしてるのか?それともマッシュルームでサイケデリックな夢を見てあぁやってるとか?
「よせ、ダキアの諸君ら!それ以上は国際法違反である!それより先は各国領土である。君らは領土侵犯を犯している。到底それは許されない行為だ。今ならまだ間に合う。矛を収めて家に帰るといい。」
全権大使が暴徒に叫ぶがなるほど。全権大使も俺と同じで大衆心理を理解してないらしい。彼らは合理やなんやは必要ないのだ。
誰かが決めて動けばそれを行うのが彼らであって主体性はないまず、リーダーもいない集まりに呼びかけてもなんの意味をなさない。ハロウィンのときに騒ぐ若者やクリスマスのときにニューヨークに集まり酒を飲んで吐いて遊ぶような彼らと変わらない。
誰も上にはいない、自由であるがゆえに不自由で不都合なのだ。感情に支配されているのは彼らなのか全権大使なのかはわからないが不味いことになるぞと思い、自分の部屋に置いてきた例の‥‥ダキアに移動する前に送られてきた試作品を取り行くのを決めた。やるしかない。
これは俺が始めた物語ならば俺が責任を取らねばならない。誰の責任でもない。誰かのせいでもない俺が、俺こそが悪いんだ。なら、俺が決めてやる。例えその先に地獄しかなくてもコレクリウス。お前を楽にするのも、俺を楽にするのも結局は俺の責任なんだ。
だからやる、俺はやってやる。それが悪手だとしてもだ。
そして、歩き出した足は誰にも止めることができないと一人納得した。
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