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せる術式を撃ち込むことにした。
謎の士官学校で教えられたことだ。音波により彼らを一時期的に足止めできるだろう。
「今、略奪は開始された。残念である。」
展開される術式が光り輝く魔導陣を描くと、暴徒たちはあの爆裂術式が来ると思い、我先にと逃げ回るがその混乱が将棋倒しになり、倒れた人間を踏み潰し次々に混乱は伝わりまた違う地獄を作り出す。見てられない。
「シュトレーゼマンら各位に告ぐ、ダキアの治安活動を行うぞ。流石にこれは見てられない。けが人の手当などを行う。」
将棋倒しになった人々やなんやを助けに入る。なんで、帝国軍が治安活動をしてるのだろうか?ダキア人は何をしている?
その暴徒が起こした将棋倒しの混乱も収まった頃、ダキア人のけが人なども運びながら帝国人400人余りを保護した。
彼らは襲われないように持っていた帝国国旗を掲げて行進している。見た目では外側に武装した市民がいるため、平服ではあるが帝国軍1個大隊のように見える。更にはそれを見て、何故かついてくる市民が多く、大使館につく頃には国籍はわからないが1000人近くに登っていた。
「只今、帰還しました!」
想像していたより多数の人の群れにぎょっとしつつも全権大使は頷いた。
「帝国人以外は帝国大使館に入るのはまかりならん!しかし、多くの場合はそうであるように政治的な理由による亡命ならその限りではない。書記官。ビザの発給を急ぎ給え。」
全権大使はそう言うと、大使館の敷地にぎりぎり入るかどうかの彼らを受け入れる準備を始めた。それを見た各国の大使館の前に集まっていた群衆も自ずと入れてくれない自国の大使館を見捨ててこちら側に列を作る。
ビザの発給により、大使館の敷地は埋もれるほどに人々が黒波を作る。
「なぜここにあなたがいる!」
全権大使の声に姿を見ると新聞で見たダキア工業省の大臣の姿があった。ヨレヨレで煤けた姿は浮浪者にも見える。
「それは水をもらえるか?あぁ、すまない。生き返った。もう、ダキアはおしまいだ。大公は軍を城の防備に集めて議会を見限った。議会や政庁に議院宿舎までも制圧された。首相は真っ先に撃たれたよ。私しか逃げ切れなかった。恥ずべき行為だ。怖くても撃ち殺されておけば国が壊れる様や野蛮な国民の本性をついぞ知らずに、幸せに死ねただろう。私は神を恨む。あぁ、神よ残酷なことよ。我が国の最後にも殉じさせてくれないほど私の臆病な本心を突くとは!」
演劇かと思うほど大げさに嘆く大臣は力なく大使館の柱によりかかると給仕から渡された気付けのウィスキーをボトルごと飲み、むせび泣いていた。
もうダキアは終わりかと言う雰囲気が支配し、皆黙々とスープをすする様は異様で、誰一人不安を口にはせず、不安を口にしたとしたらそれに
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