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帝国兵となってしまった。
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 壁にかかる大学の旗を見た天使や金モールが見える。それになんの意味もない。

 地下道とこれに連なる空気穴や別の地下道を利用すれば俺だけでも逃げ切れるはずだ。しかし、これらの武器は‥‥。


 頭の奥から透き通る感覚がする。わかった。そうか、そうだったんだな。逃げ切れる確証がないのなら叩き潰せばいいはずだ。やれるだろ俺、いや違うなやらなきゃならない。

 「わかった。私が指揮を執る。わたしの名前はそうだな‥‥。」
 ダキア大学の旗に書かれた天使か。ロシア人で天使の名前‥‥そうだな。脳内に浮かんだのはソ連軍人で有名な男だった。

 「ミハイル・トゥハチェフスキー大佐だ。私に任せていれば問題はない。必要なのはまず、バリケードだ。急いで作るぞ。鉄筋と土嚢は山のようにある。これから奴らに‥‥我々労農軍の力を見せるのだ。これがだ、それこそが自由の戦いだ!皆、歌を歌おう、故郷の歌をこの戦いがその歌を紡いでくれる。」
 興奮してわけのわからないことを言ってしまったが、ダキア軍はブチギレている割には、彼らは大砲を持ってくるまで待ってくれる紳士的な行動で、それらしくは土嚢は積めた。更には元々訓練していたからか学生たちも銃の扱いを全員に教えることができた。

 先程の話を信じるとだ。相手は退役したアルトネスク将軍が育てた古参の精兵なのだろう。そこに大隊長と名のっていたことからわかるのは、規模は大隊クラスで、そこに原作知識から戦車や魔導師は持ってないだろうということだ。さしずめ彼らは歩兵大隊といったところか。暴徒鎮圧ならまだしもこちらは地下道に籠もっている事から推察するならば、余程の馬鹿か世間知らずではないと騎馬兵力はない。そして、ダキアにはあと軍用犬の描写もなかったことから、純粋な歩兵で構成された英国等擲弾兵のレッドコートに似たなにかだろう。

 転がるようにバリケードを越えて、その遮蔽物に隠れながら相手を盗み見るとダキア軍は戦列歩兵を組んでいた。
 やはり500人程度であるが問題は戦列歩兵を組んだ兵士が大きな入り口を囲んでいる。つまり、こちらには機関銃がないため歩兵銃で相手をするしかないが、突撃の衝撃力をバリケードなどで抑えられるかは神のみぞ知るセカイで絶望的ということだ。しかも、味方はお遊び気分の学生たちで戦闘間近だからか士気こそはまともだが役に立たないことばかり。

 軍靴のバルツァーでも立て籠もった時はもっとマシな戦力だったはずだがなどとそう考えたときに思った。待てよ。やつらは見る限り手榴弾はないことから大砲を取りに行ったはず。こちらには古い形式だが一門の野砲がある。先程見た歩兵銃は山のようにあり、学生たちは50人から60人前後、敵は目算500人。しかも、曲がりなりにも正規軍人。となるならば正面からまともに戦えばひとたまりもないが敦盛
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