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いなくても、内なる神がある。イデアがある。人類が人間となり得たのもそれなら、人間こそが奇跡と神秘の塊なのだ。それなのに、それにも劣る神に祈るなんて事は愚かだ。我々一人一人が奇跡であり、神秘であり、道理である。なら、神は必要ないだろう。星や神から自立できるだろうと深く思いが込み上がった。人類万歳と内なる精神の大地と精神の海から万雷の声が響き渡る。
「そんな神に祈るな。偉大なるルーシーに祈らなくてもいいが私、トゥハチェフスキー大佐を信じろ。人間の可能性はこんなものではない。神の奇跡すら乗り越えていける。これでも私はルーシー内戦で騎馬兵をやっていた。」
嘘で鼓舞すると彼らは祈るのを一斉にやめた。騎兵は平均寿命20代と言われているその中でヒゲを蓄えた大佐が生きているのならそれは奇跡の英雄ということに他ならない。
「では、神には祈りませんが大佐に祈らせてもらいます。皆聞いたか!神を恐れず死を恐れよ!そして奴らに封建主義の無策を叩き込んでやれ!大佐なにか一言。」
コレクリウスの発言にウォーと叫ぶ彼らを見て、確証もないが信じるしかないんだろうなと思った。やってることは進撃の巨人でグリシャがやっていた始祖カプ厨同好会と変わらないだろう。個人崇拝は止してほしい。
「この私達の戦いは語り継がれるだろう。しかしこれは終わりではなく、始まりだ。最初の一歩なのだ。国が諸君らに何をしてくれるかではなく、諸君らが国に何ができるかなのだ。したがってこの戦いは国への恩返しの始まりである。始まりが始まらずして何が始まりだ!人類が神という偶像を作り出せたなら、一人一人が偶像を食い破り、人間として大地に根付くことがなぜ不可能だろうか?これが証明だ!総員第一戦闘配備!」
自ずとその場にいた学生たちがダキア軍に負けじと革命歌を歌いだした。全員が歌っている異様さがあったが熱狂と陶酔と恐怖が混じったはずのそれは母親の子守唄よりも心地が良く人間であると感じた。それもすぐに終わる。大砲が地下道の前のフェンスを吹き飛ばしたからだ。
「総員突撃!叛徒を鎮圧せよ!」
入口側から聞こえてきたが俺は無視した。そして、大声で学生にこう伝えた。
「全員口を開けて耳をふさいでかがめ!」
次の瞬間、紐を引くとドンと凄まじい音ともに突撃してきた第一波が吹き飛んでミンチになりタタールステーキのように飛び散った。
「怯むな!進め!大砲を敵が持っていても連射は出来ん!力押しで押し切れるぞ!責務を果たせ!」
それでも怯まずに勇猛果敢に突撃を敢行してくるダキア兵、蛮勇と言われていたがこちらが空を飛べないとコイツらこんなに強かったのか!溢れ出す兵士たちを後目に学生たちは火炎瓶を投げてから一斉射撃をバリケードの二列目から始める。
地下道の幅は決まっていて彼らは正面
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