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帝国兵となってしまった。
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の小さな小さなそれでいて重大な勝利だ。

 資料が進むたびに校長は顔をしかめながらも、訝しげに考えるように緩慢な様子でその指は資料の数々を何回も捲る。そう何回もページを捲る。そして、彼は再びモノクルを外し机の上に置くと今度は重々しい口調で言葉を紡いだ。

 「なるほど。一瞥しただけではあるが貴官の主張はよくわかった。しかしだが。この帝国において軍隊は官僚組織故に手続きが一番の重要だ。これらの規則により判断はくだされる。すなわち貴官の主張は3ヶ月後になる。中退の最短がそこに設定されているのだ。この資料は置いときたまえ。精査しなくてはならん。そして君は考えるほうがいいか飛ぶのがいいかどちらか選び給え。」
 校長の問は即決を要求したので答えることにした。

 「飛ぶ方で空はきっと帝国でも極東でも共和国でも例えば連合王国でも変わらないでしょう。小官は‥‥いえ、私は帰る場所に似ている空にいたい。」
 折角だから航空魔導師として、空を飛んだあとに除隊するかと決めた。

 勝ちをもぎ取ったと足が軽くなり、ウキウキとするが浮足立つわけにはいかない。一礼すると退室を告げ、自室に戻ってすぐに寝た。堪らなく布団が柔らかく感じたが実際は3日放置した食パンぐらいの硬さだった。
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