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帝国兵となってしまった。
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‥‥帝国魂があれば突き進めるでしょう。それは帝国のあり方そのものであり、進軍はただ闇雲に進むわけではない。単純に前に行くのではなく時には転進といい、後退する決断と覚悟もいる。過去、魔導師は戦場の花形であった。が今現在は‥‥そう、現代においては小官の所属する航空魔導師は少なくとも扱いは塵芥に近い。当然であるがなぜならば、航空機より遅く、戦車よりは弱い。しかし、使い方によるのです。見方を変えれば例えば戦車より早く、航空機より固い。前述の劣勢の環境も同じだと言えます。卵も切り方によっては四角になり、卵も立つ。詰まるところはソコと同じなのです。我々は卵に過ぎないわけですが卵には使い道が色々とあります。例えば殻だけ残しておき、中身を爆弾に置き換えてもただそこにあるのは日常の卵であり、気に留めるものも少ない。我々は様々な料理にも活躍できる卵になるべきだと思います。それは国家百年の計であり、継続される帝国社会における国家だと思われるのです。」
 卵いじってるやつを思い出して卵の話をしてしまったぞ。卵で軌道修正しようとしたが無理だった。卵ってなんだよ。とりあえず国家百年の計とか意味深なことを言っとけばまとまりはいいだろう。

 「卵料理は作り手の技量が一番試されると聞く。生徒が卵なら講師である我々の技量が問われると言いたいのか?流石やつのところのだ!諸君ら、筆頭の言うとおりだ!卵になれ我々教官が料理したくなる卵になれるように諸君らに期待している。この学校には繰り返すが中途退学しかない。雛鳥にはなれない。であるから諸君らは卵になるべきだ!では、筆頭は勝手な発言により校庭を20周だ!以上!」
 お前、ふざけんなよ爺!いきなり何だそれは俺が何したと言うんだ!勝手に発言しろとやってきたのは爺の方だろ!なんで俺が責められるんだよ。だが、校長には嫌われたに違いない。目的は達成できたはずだ。

 これできっと学校を辞めれるな。貯めていた怪文書の論文と共にこの走り終わった除隊道を振り返りながらも退学届を提出すれば最終地点の除隊に近づくだろう。俺ならきっとこんなやつは除隊にする。何故か成績は良くなってしまったが誤差の範囲だろう。いちばん簡単なのは脱走兵だが逮捕される可能性が高い。除隊にしろ不名誉除隊にしてもそれらだと別に逮捕されない。これは完璧なやり方だな。そうこの除隊街道をひた走る中で俺は考えをまとめて決めた。より大胆にだ。


 20周を走り終わる頃には昼も終わりに近付いていた。意外と早く終わった。校庭はすぐに回り終わる。走り続ける限り道は続くが終わったあとに目に入ってきたのは黄昏時の金色の町並み。石畳のどこか無機質な町並みも色付き温かみを持っていた。その温かみがより異国情緒を浮き彫りにしていた。あぁ、なるほど帰れないんだなとより思った。もしかしたら俺の居場所はここなの
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