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帝国兵となってしまった。
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の訓練所に来て出来た友人に出資を募る。配当さえ渡しておけば問題はないだろう。一人、また一人と出資をしてくれた。一番、計算が得意な友人のユンガーなども集まって投資計画を話すのは楽しかった。

 数カ月後、外出許可を取ってビアホールにいた。

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 「ユンガーは資金があったらこの通りに軍用の鉄道を引くというのだな。しかし、鉄道は大動脈で道路で血管を繋がないと不全を起こすのではないか?」
 ほとんど自習のようなものの机上演習の時間に区画割の話をした。日本では街を作るゲームなどをよくやっていたからな。こういう話も楽しいもので、友人とはよく理想の地下鉄などの話をしていた。

 「ここにいたのか。」
 今、声をかけてきた小柄な男であるオーデンハウデンは口だけは上手く、呼び込みも売り込みも一級品だ。そんな彼は軍人ではなく購買の配達員である。他にも、工場員のエアハルトや、鉄道無線員のライハルトに教師のハイリッヒ、薬剤師のグレゴールなどが主なメンバーである。建築家のギスラ兄弟やフリッツもたまに来る。趣味人が集まったお遊びクラブなのだが、理想の国家についてたまに話すこともある。俺は理想の国家を知り得ないから現代日本の話をする。それに食いついてくる彼らは面白いがな。

 「オーデンハウデン。急いで何を伝えに来たんだ?そんなに焦る必要もないだろう。」
 全くもってオーデンハウデンは暇人で、昼間はパンの配達員、夜はパブでほら話をするのが趣味だそうだ。なんで暇なんだろうな。羨ましい奴だ。

 「あの穀物鉄保護計画(買い占めの話だと外聞が悪いためにそういうことにした。)大口の出資者を見つけた。名前は建築家のアルベルト氏と商人のローゼンベルク氏で、彼らが工面してくれると約束した。書面もある。」
 そうか。ついに逃亡資金に目処がついた。今は1916年。確か6年は余裕があるはずだ。勝ったな。ここから買い付け続けて1923年までに完成させ、合衆国に脱出し物資を売ればいい。

 「書面か。」
 何故か格式張った羊皮紙の書面には金字で救国会議と書かれていたが、まぁ暇人の集まりだからそんな仰々しい書き方もするだろう。ある程度の資金が貯まってしまえば高飛びできる。そもそも根無し草であるから、早く出ていきたいなと思ってるうちに、会議という名の雑談は終わり、皆帰路についた。

 もうひどく疲れたんだ眠らせてくれ。なぁいいだろ。だって俺は‥‥。

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