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訓練所で俺は硬いベッドで目を覚ます。こんな硬いベットではあるがそれでも魔導師は過去の遺物扱いを受けつつも、それなりに優遇されているようで一人一つの個室を与えられている。もしかしたらだが、そんなことはなく単純にここの施設の収容人数が規模に対して極めて少ないのかもしれない。
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そのおかげで作業に専念できるというものだ。桶に昨日の夜汲んでおいた水を入れて、顔を洗い身なりを整え、カフスボタンもしっかりと決める。
そして、今日は半日休暇なので貯めるために長々とした論文を書く。これは前世で文章を書く機会や書くことも多く、妹の卒業論文の手伝いやブログなどもやっていた経験が光るのだ。人生何があるかわからない。いや、普通は人生はなんかこんな理不尽な目に遭わないんだけどな。なんだよ、強制転生なのか憑依というべきなのかは知らんがなぜこんなことに‥‥。
まあ、考えても仕方がないから手を動かし気を紛らわすしかない。こういう何気ない訓練の合間にも書き溜めをすることは必要なことだ。書けば書くほど除隊への道が早まる。それに今日は楽な座学の日だ。教官の一人が妹の結婚式に行くそうで、午後から座学だけの日になった。流石の真面目だらけの帝国軍人といえども血を分けた肉親の冠婚葬祭には参加するのだな。と思いながらもしっかりと筆を滑らせて文を進める。
最初の話の題材は機械化と家畜、戦争における石油などの燃料資源のあり方。企業と国家の関係。石炭の石油化の是非、そして塩鉄酒タバコの専売論。
まず、やり玉に上げるのは機械化を進める政府だが、この資料にあるようにトラクターやトラックに推奨金を出してはいるが、増えてきているこれらの機械は戦時にはもちろん徴用する。そうなると今までの働き手+機械がいなくなることで一気に産業がダメージを受ける。
そのダメージは多岐にわたり、何より運転手なども増やさないといけない。しかし、悲しいことだが現状自家用車が現代よりも居ないことから運転手の数の問題もある。運転手とトラックが徴用されてこれらの分野が弱くなると輸送が滞り、輸送力の低下が国力の低下に直結する。また、農地における力の源であるトラクターの少なさは生産力に直結するのだ。
そこで、合理化を叫ばれて廃れつつある家畜と蒸気機関の再利用だ。確かに家畜は穀物などを食う上に機械より面倒が掛かる。そして運用計画をしようとも繁殖という生産には時間がかかる。その上で内燃機関に比べて馬力などの生産力は低い。だが、これらをうまく扱えば戦争に必要な工業力を使わずに輸送ができる。その上、彼ら家畜は戦略物資の石油と鉄を使わない。蒸気機関も石炭という物資となり、棲み分けという形で大砲とバターはそこでは両立できうる。
先程の燃料備蓄の問題を解決するためには、川
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