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帝国兵となってしまった。
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、農地がだめになる。

 そこまで来ると作戦を維持するための策源地を確保維持するために橋頭堡をつくり、策源地のために戦争することになる。   
 効率化で国内の統制をしようが物理的な物資不足は耐えきれるほど帝国は強くない、ならばそれを支える国家を構成する企業や人間に投資するほうが正しいのではないだろうか。など、現在の軍や政府政策に対する批判を散りばめていた。

 これならばきっと軍にふさわしくないと追い出してくれるだろう。そうじゃなければこの時間が無駄になる。無駄にはしない。

 書き上げたときには夕方で夜に近い、太陽は歪み沈みゆく、車両を降りたあとにそんな太陽を少しだけ見ていた。太陽は変わらないどの世界にも日は沈む、人々はいそいそとする。未来よりも今日明日をどうするか必死になるのが人の性であり、性は変えられない人は大きな大河である歴史というものの流れに乗るカヌーやサーファーなのだ。

{IMG101113}

 などと考えていると後ろから声をかけられた。
 「どうしたんだ?若者だから道に迷ったのか?」

 40代から50代に見えるの軍人だ。服装で金モールと象牙があしらわれたサーベルでわかる。

 怪しまれないようにそれっぽく答えるようにした。
 「私はこれから訓練所に呼ばれている。ただそれだけのことです。だがそんな私が田舎から出てきて街を見ていた運命じみたものを感じていて。」

 相手がお上りさんかと気を緩めた顔をする。直感だが悪い人間ではないだろう。敵意は感じない。

 「そうか。立派な町並みだろ。数百年前からある。タバコを失礼。軍人の楽しみはタバコとコーヒーと自分の靴磨き。そして、今座ってる椅子を尻で磨くことぐらいでね。訓練しにきた若者には夢がない話だが。」
 隣の軍人は鷲とドラゴンがあしらわれたタバコを吸っている。それは紙タバコだ。よく見れば周りに吸い殻が転がっている。赤い空におじさん軍人が紫煙を上げる横に見ず知らずの若者がいる。まるで古い映画のワンシーンのようで笑ってしまった。

 「そんなに椅子を尻で磨くというジョークが面白かったか?」
 目を輝かせている年寄り特有の長い長いジョークに付き合されそうで、誤魔化すために口を開いた。

 「いえ、先任軍人どの。見ていたのは街ではありません。どんな田舎でも、都会でも、そこには人々がいて、人の営みという夜空の星々のような輝く光があって‥‥そこには必ず息遣いがある。なら、訓練を受ける私は、フリードリヒ・デニーキン・ジシュカは、これらを守るために訓練を受けるというのは、いささか大役で力不足であると痛感していたのです。力というのは、常に、権力者が大いなるものを歌いながらも弱者に下す、一種のサディスティックな行為だ。兵士として暴力装置足り得る存在に、自分がなれ
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