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帝国兵となってしまった。
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家である。権威的だからなのか?それはわからないが。

 などと考えている間にもう中間地点だ。なぜわかるのかといえば路線図を駅員に貰ったのだ。軍人に対してはやはり甘い。しかし中間地点と言っても数時間ほどの中間地点でしかないのだが、色々あったせいで昼頃に出て、あっちの紳士がしきりに確認してる懐中時計の針を見るに今は15時前後、おそらく着く頃には日は暮れている。

 ならば着いたあとには宿くらいは見つけたいものである。最悪、乗り合わせてるあそこの軍人に甘えればよいだろう。人々の対応を見るに、そこそこ優しくしてくれるに違いがない。

 どうしてもの場合だからそれは奥の手だ。大体は勘に頼ればいい方向に行く、生まれてから道に迷ったことはない。それよりも情報を収集しなければならない。

 こんな時のために本を持ってきたのだ。帝国史についてという本を。なになに、帝国の北には潜在的な敵国のレガドニア協商連合、東には潜在的な敵国のルーシー連邦、西には潜在的な敵国のフランソワ共和国、海の向こうには潜在的な敵国のアルビオン連合王国、更に向こうには潜在的な敵国の合州国、南には潜在的な敵のイルドア王国、友好関係にあるが敵対する可能性がある秋津島皇国・ダキア大公国

 潜在的な敵しかいない。国名から見るとこの世界は、幼女戦記の世界だと思うが頭悪いだろう。誰よりも強くなれば外交がいらないとかイカれている。しかし、このままなら負け戦に出されてしまうから過激な論文で除隊させられて逃げればいいと思った。それにこの国に愛着はない。

 そうと決めたら襟首を正してきっちりと上着を整えた。決まった。過激な文章による不名誉除隊と合衆国へ亡命してやる。それに坊っちゃんとは言えど両親は既に他界し兄弟も何もいない。

 なら、その資産を活かして生き長らえるのは合衆国だろう。帝国へのどんな文がいいか考えながらも頭をひねり回しながらその作戦をまとめていた。

 まず、徴兵に来た者たちに教える教官よりも上の人物に書き上げた怪文書的な論文を上げ、是非を問い軍の規律を乱す。それを積み上げて追放されるわけだ。極めて簡単なロジックですぐにできる。

 そうと決まれば揺れる車内でもそれぐらいの文章は書ける。まずはくどいくらい民間の民需や市民生活を考えた論文で石油がなくなり、食料がなくなり飢えるだろう展望と海軍の無策さと国内経済の枯渇による戦時経済の死亡。

 また戦時には中央銀行の無制限の国債や軍票回収ができるが、それを支えるのは農地という資本であり、農地は農民がいないと農地たり得ず、全ては農地という国家資本と商業主義による交易の外貨獲得にあり、帝国は火薬と肥料を両立させるほど窒素はまだ作れておらず、石油が手に入らなくなれば民間から集めるしかないが、そうなると農民の機械が動かせないため
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