暁 〜小説投稿サイト〜
偽マフティーとなってしまった。
外伝 SEED
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
どを新たな星を目指すのに使えば、人々はナチュラルもコーディネーターもまた星だと気付くはずだ。コズミック・イラには人間の土地が、人間の大地が足りないのかもしれない。精神の風が止まり、地は枯れて海は腐り始めたのかもしれないが、まだ間に合うはずだ。なぜなら同じ人類だからだ。人なのだ。なら、手を取り合えるはずだ。

 こうして宇宙空間にあって体と精神は土から離れたように見えているだけで、見せかけでしかない。人は地球がなくては生きてはいけない。あの蒼きコバルトの星は、人類種の母なる大地であるのだ。この冷たい宇宙空間の闇に輝く蒼はあまりにも鮮烈に見えて、コーディネーターは劣等感を感じてナチュラルを叩くのだろう。そしてナチュラルは地の呪縛から放たれたコーディネーターを見て羨ましいとなる。しかし、誰も望んでいない。皆辛いのだ。辛い現実を紛らわせるために過激なナラティブに走った、世界全体がおかしくなった。それだけの話かもしれない。

 傷を庇うために痛み止めを使ったら、痛み止めに依存しだしたと言えば正しいのかもしれない。コーディネーターは別にナチュラルと変わらない。血が出て死にもする、病気にだってなる。なる確率がナチュラルよりひどいだけだが、結局のところコーディネーター純血主義は遺伝子の交換で失敗するだろう。ハリー・ポッターの純血主義と同じで、ナチュラル側からコーディネーターの供給がなくなれば終わるのだ。コーディネーターが作られるのはナチュラル自身がナチュラルの可能性を信じれないのと、コーディネーターがナチュラルの可能性を信じれないからだ。どんなコーディネーターも最初はナチュラルから生まれているんだ。木の股から生まれたわけではないのだ。

 美しい星の瞬きも人が願って欲しがればやがては手に入るこの時代になっても、人々の意識は改革されなかったのだろう。しかし、少しずつではあるが良くなっている部分もある。人々には手がある、その手は取り合えるのだ、ナチュラルもコーディネーターも。…だけどバリー・ホー、お前は別枠だ。キャプテンG.G、お前も許さないからな。…ともかく、この地に満ちた憎悪は裏を返せば嫉妬や羨望だろうから、それらをぶっ壊せば良い。ナチュラルだってやればできるのを見せれば、彼らも認めざる得ない。ラウ・ル・クルーゼやムウ・ラ・フラガが居たじゃないか。彼らのような特殊な空間把握能力が見せる戦い方を多くの人が見れば、ナチュラルも捨てたもんじゃないとわかるだろう。

 コーディネーターも血が流れた人間だと分かれば無意味な戦いを止めるだろう。知らないからお互いに恐怖する。コーディネーターもナチュラルも知り合えば人間だとわかる。プラントに閉じ込められたがゆえに、皮肉にもあまりコーディネーターと会わなかったからコーディネーターへの過度な恐怖を煽り、ナチュラルに会わなかった
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ