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偽マフティーとなってしまった。
外伝 SEED
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 こうして大地に立っている。ただの大地ではない。宇宙の大地、プラントの造られた大地というものに立っている。宇宙に浮かぶ砂時計、それは大きな砂時計、砂の代わりに人々を乗せる鉄のゆりかご。ゆりかごの中の人々は未だに子供のようにナチュラルに対する優越を訴えるが、能力が低くコーディネーターであることしか自慢がなく、自己肯定感も低い人々が支持をしているだけだ。コーディネーター神話を信じているだけだ。国家の建設には国家神話と思想が必要だが、それらのために造られた物語、ナラティブをヒストリーとストーリーだとそのまま信じてしまった。いや、信じたかっただけなんだ。

 ただ人より少し弱い人間はナチュラルやコーディネーターにも存在する。彼らは大多数である弱者だ。弱者は強者に憧れて自分の下に階級を作りたがる。コーディネーターであればナチュラル。ナチュラルであれば遺伝子をいじることでしか強者になれないコーディネーター。互いに似たもの同志であるから同族嫌悪で殺し合う。信じるものや権威もなく、力もなければ思いも無いものだから異端認定で寛容さがなく殺し合うのだ。

 ナラティブは必要だが、ナラティブを信じすぎると狂信的になる。このコズミック・イラは宗教という基盤やナラティブ、国家という概念などがバラバラになり、どっちが先かは分からないがカオスとアノミーが産んだ社会の動きが、この世界から宗教や国家、民族というナラティブを失わさせて、代わりに台頭してきた科学から派生されたナチュラルかコーディネーターの人種の軛が、レイシズムを加速させた。その代わりに肌の色や宗教、民族のカテゴライズからくるものは減った。ナチュラルとコーディネーターが人種のカテゴリーになり、レイシズムがそこに集約されたに過ぎないのだろうが、ある意味では進歩だったのかもしれない。縛りは次の局地に行ったのだろう。しかし、ナチュラルもコーディネーターも忘れている。

 ナチュラルの基礎能力を上げるだけなのがコーディネーターであって、コーディネーターはナチュラルの元々の能力範疇に収まっているに過ぎないということを。小さい時にコーディネーターに劣等感を抱いたあのアズラエルに、商人として勝てるコーディネーターはいたか?コーディネーターは忘れている、自分も人間だということを。ナチュラルも忘れている、コーディネーターもまた人間だということを。お互いに忘れている。所詮、人間は逆立ちしても神様になれないし、なれたところで神様になる必要はない。人間はニンゲンだ。ナチュラルだろうがコーディネーターだろうが、人であることには変わりがない。宇宙空間の冷たさで忘れるのかもしれないが、まだ開発できる広大な宇宙は広がっている。

 フロンティアは有限だが無限にある。怒りと悲しみの混ざったナチュラルとコーディネーターの対立に使う感情のリソースな
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