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偽マフティーとなってしまった。
24話
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なるかも知れない。」
 そう言われてもな。困るんだよ。思いついた言い訳をしてみようか。

「ならいいさ。プロメテウスならばヘラクレスが味方になるという事だ。ヘラクレスが味方なら神話では負けなしだろう?」
 誤魔化してからバカバカしくてフフッと笑ってしまって、エリオットが苛ついていたようだった。

「マフティー、なぜ笑う。笑う要素は無いはずだが。」 
 怒られてしまった。仕方がないから理由を話してしまおう。バカバカしくてフフッと笑ってしまったと。

「何故か戦いがあって気分が高ぶっていると芝居がかって話してしまう。まったく、バカバカしいほど道化だなと思ってね。マフティーはコイツを含めて道化体質なものでもある。」
 コンコンとかぼちゃのマスクを叩く。エリオットは怪訝な顔をしてからため息をついた。いや、こっちのほうがため息をつきたいわ。マフティーとしてマフティーを演じてるんだから疲れも溜まろう。

「マフティーらしいマフティーな悩みだな。しかし、私エリオット・レムも同じ悩みを抱えた事もある。ザクという象徴を作っていた事だ。ハイザックも開発した。ザクを作り続けていた時に、ザクをヅダに‥‥あのヅダに近付けようと思った。あの時、空中分解がなければザクはヅダに負けていた。コストが高かろうが、兵士が少ないジオンにはヅダが輝いて見えたのだ。」
 しかし、選ばれたのはザクだったと続けるエリオットに、何の話をされているのでしょうかと聞きたくなったが辞めた。大抵恐ろしいことになるからだ。

「ヅダに勝ったザクはヅダの意思を引き継がねばならなかったのだ。勝った者は負けた者を引き継いでいかねばならない。それが勝者の義務なのに、地球連邦政府はどうだ?アナハイム・エレクトロニクスはどうだ?ジオン共和国はジオン公国にクーデターで形ばかりは勝ったはずだがどうだ?誰も敗者のジオン公国、ティターンズ、アクシズ、ニューディサイズもその他の組織も宇宙世紀は捨て置いた。捨て去った。」
 いや、あのエリオット。お話が長いですけど‥‥どう反応していいかわからない。困るから長話は辞めて欲しい。目上の人の長い話ほど怖いものは無い。ニュータイプの次ぐらいに怖い。

「勝者の義務を失った地球連邦政府に私は絶望して、ヅダを新しく研究する事にした。地球連邦政府がプロパガンダをしてまで攻撃したヅダをな。それが私の意地だ。マフティーは今、それと同じ事をしようとしている。地球連邦政府に勝者の義務を果たさせるのだろう?5年前にジオン共和国が無くなっていなければこんなにジオン人も集まってないさ。地球連邦政府は、ジオンから初めてサイドの自治権を剥奪しようとしてる。だからこそスペースノイドは惰眠を貪れなくなった。」
 ギャプランの傷をなぞる。エリオットおじさんはヒゲも相まって気障な行動が似合う。
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