15話
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あれから翌日、人前ではマスクが脱げないために一人で部屋で食事をする。
なんでも合流してきた自称マフティー軍の中には調理ができる人間が多数いたようで、たまに作られる料理は同じ材料でもかなり良くなった。別に毎食が携帯レーションのチューブや缶詰の固形レーションでも全然構わなかったが、こうして温かい料理が出てくるとなると人間は嬉しくなるからわからないものだ。まぁ、近未来宇宙食な今までのレーションも構わなかったが。
この携帯レーションのチューブには謎の栗きんとんみたいな味がする紫の歯磨き粉のようなものがあり美味い。だが当然の話ではあるが、ハズレを引くと粉っぽいマッシュポテトみたいなものもある。博打性があるのでオエンベリ軍の兵士達は娯楽に使っていたらしい。一番、美味いチューブの味はチョコナッツクリームブリュレらしい。
まぁどうだっていいか。よし、食べるぞ。今、目の前にある料理は‥‥。
「温かい、匂いも唆るな。醤油がまた美味そうだな。」
排骨飯と言われるスペアリブをカリカリに揚げた肉を飯に乗っけて醤油ダレがかかっている。主菜にはサテと言われる焼き鳥とサラダだ。しっかりとした塩気に旨味と肉汁があり、とても美味い。ミルクティーがついている。
昨日、集まってきた集団に話を聞いてみたが、その殆どがアフリカからアジアにかけての割と安定してはいない地帯に潜伏していたらしく。特に中核をなすジオン系はフィリピンやインドネシア、ニホン、タイヘイヨウショトウなど島が多い地域に隠れていたらしい。
初期の宇宙移民の大半が欧米系に差別されて叩き出されたアジア系であったのが幸いして、アジアに隠れるにはうってつけであり、また、地球人口が20億人になるほど減らされた頃には旧枢軸系、中東系、南米系、旧東側系が宇宙に吐き出され、宇宙移民達はなんとも言えない顔立ちが形成され、また地球を管理する為に残された彼等、所謂地球市民の顔立ちも減った人口から結婚が多人種間で行われるようになり、結局宇宙移民と顔立ちが同じとなるという当初の欧米系の思惑に対しての皮肉な結果を招いた。
故に隠れやすいし、アジアの島々は特に水泳部のMSも秘匿しやすいと当初は決起のために堪えて隠れていたらしい。そして彼らのMSを支えるパーツは一部のチュウゴクやインドネシアに拠点を持つジオン組織が、特にインドネシアやフィリピンなどにティターンズの工場があったから、MSを維持するためにティターンズ崩壊後のドサクサで工作機械を盗み出したらしいと。
それにしても、この排肉は外がカリカリで中はジューシーで美味い、これを食べるだけで彼等が何年潜伏していたのかを理解させられる。ジオンの集まった彼らは普段は屋台を経営したり、露天商やトラックドライバー、建築作業員、料理人や土産屋やタクシー運転手など、比較的出入
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