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偽マフティーとなってしまった。
15話
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ていたのだ。これらの現実が所詮ここはガンダムの世界であって、何処か現実じゃないと思っていたから楽観視していた俺に堪えた。

 なぜ、あの時に俺がギギ・アンダルシアにあんなに深い怒りと恐ろしさを覚えたのか、今わかった。自分が死ぬとか思わずにどこかで自分は傍観者と思い、当事者意識もなく相手の内面に潜る。まるでそいつは、原作知識があってそれができる俺とそっくりだからだ。その醜い内面をギギのニュータイプ的な感性で暴かれ指摘されるのを恐れたんだ。プルとプルツーのように同族嫌悪だ。

 俺がハサウェイをここまで恐れていたのですら、目の前にある現実として宇宙世紀のこの世界を受け止めていたら、ハサウェイと似たような感情に支配されるかもしれないと何処かで分かっていて理解して現実逃避をしていたからだ。

 俺がかぼちゃのマスクを手放せないのも、マフティーをハサウェイに押し付けれなくなるからだけじゃなく、このマスクを一枚通して画面の向こうの視聴者になりたかったからだ。月面に行こうとするのも、月面に行けば地球の争いから俺は傍観者になれる。

 あのスタークジェガンのクレイ・バズーカの散弾中に飛び込めたのだって、現実ではないと思ってたからだ。

「そうか、これは現実か。」
マフティーとしての服として用意された紺色のスーツに水色のワイシャツ、赤いネクタイと赤いベストに着替えてマスクを被ると俺はこの現実に向き合うことにする。誰かの名言を借りるのではなく、本当の俺に。だからと言って、マフティー性とかを理解できるわけではない。いや、会話の単語が7割以上マフティーだけで会話してる奴いるから。本当に、本当に無理です。そのマフティーを理解するとか、現実に向き合ってもマフティーがこんなに意味を持つとか、そんなの理解できるわけ無いだろ!

 ふと端末を見ると検索上位の記事のタイトルがおすすめとしてピックアップされていた。
「マフティーがしなければマフティーしないといけません。マフティーだからマフティーするのです、とニホンのマフティーが宣言か。」
やっぱ辛いわ、この世界。疲れたときとか追い込まれたり、気分が上下したらやっぱり誰かの名言を言うわ。自分だけで受け止めるとかマフティー性が持つマフティーの可能性に殺されるわ。おかしい、生きるって辛いな。

 今日はケネスやギギ、閣僚に、上流階級をやっと出来たコンテナと木材を組み合わせたホテルに招待しなくてはならない。

 基地を歩く人々はオエンベリ軍なのか、オエンベリにやってきた義勇軍なのかは、その姿で分かる。義勇軍は統一されていない。オエンベリ軍は皆が軍服のような格好をしているからわかる。

「おはようございますマフティー!」「ジーク・マフティー!」「ジーク・マフティー!」
元ジオン軍人が来てから、ジーク・マフティー
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