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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
訳あってあたしは、ふたりと再会する
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の?」
「んー、無理っぽいわな。」
「きも…。」
と、黒マスクの男が舌打ちをしながらカメラの電源を切った。
しかしここで、関西弁の男が「あっ」と、声を上げる。
「どした?なんか閃いた的な?」
「いやいや、情報通りだと確かこの辺りにあの危険人物がいたって聞いた思てな!」
「危険人物…?誰だよ。リストにいすぎてわかんねーよ。」
と、リーダー格のロン毛がそう言うと関西弁の男は端末を取り出す。
「えーと確か…あぁそう!源葵っちゅーアマや!」
「あー、あの紫式部の。」
危険人物リストと書かれた一覧をスワイプし、一枚の写真をピックアップする。
そこに写っているのは金髪の女性。
葵だ。
「どや?リーダーはん。ワイらはもう財団の人間やあらへんけど、こいつァ動画のネタになりまっせ!」
「うーん…どうすっかなぁ?」
「そいつ確かレズでしょ?気持ち悪…。」
そうして画面の葵を見、あれやこれやと話し出す一同。
そして、
「…決めた。今回の動画は少しセンシティブ路線的なカンジでいくわ。」
「お?ってことは男のチンポの良さをレズに教えたる!的な?」
「そうそう、それ的な。んでサーヴァントももらっちゃうカンジで。」
そうと決まればと、彼らは付近に放置していた自分達の車へと戻る。
「っしゃあ決まりやで!!そうと決まれば図書館に直行や!!」
どんな悪路でも走ることが出来る車。
ちょっとやそっとじゃ壊れない、装甲車に近い彼らの車。
側面には『葛城財団実働部隊』と書かれているが、それがカラースプレーで雑に塗りつぶされており、『CH-Z専用』と書き直されていた。
「んまー抵抗はされるやろなぁ…。そんときは頼むで!!ミッツ!!」
車に乗りこみ、リーダー格の男がエンジンを入れる。
関西弁の男はやかましくそう言いながら、ミッツと呼んだオレンジ髪の廃人の肩を強めに叩いた。
「……、……………。」
「ワイら仲間やろ!!やばそうになったら守ってくれ!な!」
「…な…か、ま。」
と、今まで小さな声で話していた彼がゆっくりと顔を上げ、確かにハッキリと仲間と呟いた。
光のない目に、少しだけ光が灯る。
「なかま、なか、ま。なかまなかまなかまなかまなかまなかまなかま…へへ、へへへへへへへへへへへへ…。」
そうしてミッツと呼ばれた男は焦点の合わない目でどこを見ているのか分からないまま、不気味に笑うのであった。
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