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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
訳あってあたしは、ふたりと再会する
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しの手を握る賢士を見て思わずニトクリスは戸惑っている。

「聞いてくれ二トちゃんよぉ…。」
「は、はい?」
「あいつ…クリス生きてるってよ…!」
「!?」

いや、消息不明なんだけど。

「その…生死はまだハッキリと…」
「あのバーゲストが付いてんだろ?なら生きてる!あいつはなぁ…!最初の頃から本来の主ではないにしろクリスの命をずっと守り続けてきたんだ!!今もちゃんとその役目を果たしつつ、2人で仲良く幸せに暮らしてるに違いねぇんだ!!」
「え、えぇ…まぁ、はい。」

彼の凄まじい気迫に押され、頷かざるを得なかった。

「うわぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!クリス生きてた!!生きてたんだあいつぅ!!」
「行方は分からずとも、吉報が聞けて良かったですね。マスター。」

さんざんカッコつけてたのに泣きじゃくる賢士。
それを慰めるニトクリス。

そうしてあたしは、香子の方へ振り返る。
そこには

「…図書館っていうと静かなイメージだけどさ、たまにこんなふうに騒がしくなるんだ。それでもいい?」

イリヤちゃんと美遊ちゃん。
今日から、一緒に住むことになる二騎のサーヴァント。

あたしの問いに対して、ふたりは

「大丈夫…だと思います。はい!」
「わたしも、問題ないです。」

迷うことなく頷いた。

「新しいマスターが見つかるまで…ううん、二人がいいならここで暮らしてもなんの問題もないからね。部屋ならいっぱいあるから。」

こうしてあたし達は、騒がしいながらも新しい住人を迎え入れることとなった








「っべ、見失ってもうたわ。」

葵紫図書館から少し遠く離れた場所
そこに4人ほどの若者がいた。

「二騎のロリ鯖がいたっつーから探してみたけど…まぁ物の見事に撒かれた的な?」
「きんも…動画のネタになんねぇじゃん…。」

あちこち見渡す男達。
ロン毛で髭を生やしたリーダー格であろう男、
そして前髪を垂らし口元は黒マスクで覆った表情が読めない男、
3人目は関西弁を話す陽気そうな男。

「いやー、このチャンス逃したはないわなー、ロリ鯖虐待は一部の視聴者からけっこー需要あっからなー。」

話からして彼らは、おそらくイリヤと美遊を見かけた為追いかけていたのだろう。

その男達の中で、異彩を放つ男が1人。

「なぁ、なんか分からへんか?ミッツ。」

関西弁を話す男の押す車椅子に座り、がっくりと項垂れ小声でブツブツと呟いている男。
オレンジ色の髪に両耳にはえげつない程のピアスを付けたいかにも派手な印象を受けるが、どこを見ているか分からない焦点の合わない目をしていた。
廃人、と言うべきかもしれない。


「サーヴァント探知的なものとか、できねぇ
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