八十三 シカマルVSペイン天道
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げるシカマルに対し、ペイン天道は顔色ひとつ変えず、「残念だが、その夢は叶わん」と一蹴した。
「九尾の人柱力は連れていく」
「そうかい───忍法・【影首縛りの術】!」
予想通りのペインの返答を聞くや否や、シカマルは術を発動させる。
【影真似の術】で動きを封じてからの【影首縛り】。
足止め用の【影真似の術】を暗殺用へと発展させた応用忍術。
物理的な力を有する影を変形及び移動させることで直接対象の身体に負荷をかける術だ。
見動きがとれないまま、じわじわと首が締まる恐怖に、普通の人間ならば血の気を失うはずなのだが──。
(…こいつ…恐怖心がないのか!?)
眉間に皺を寄せ、内心悪態をつく。
顔色ひとつ変わらないペインを注意深く観察しながら、シカマルは(……いや、)と認識を改めた。
(もしや、痛覚がないのか?)
ならば合点がいく。
里のあちこちでペイン六道と対峙した忍び達からの情報や、ナルに倒された天道以外のペイン達の戦い方。
何れも怪我を負うことも傷つくことも厭わない、自分の身を顧みない戦闘スタイル。
それはつまり。
(最初から痛覚を感じる神経でもシャットダウンさせているのか、それとも)
シカマルが真実に辿り着きそうになる寸前、ペイン天道の身体が僅かに自由を取り戻す。
【影真似の術】を強引に解こうとするペインに対抗して、シカマルは更にチャクラを練り上げた。
しかし。
(…ッ、くっそ…!なんつー力だ…ッ)
こんなヤバいヤツと戦っていたのか、と改めてナルに感心する。
【影首縛りの術】は対象との距離が近ければ近いほど強い力で縛ることが可能である術だ。
にもかかわらずこの近距離で縛っても押し返し、更に術を強引に解こうとするペインと自分との力量差が窺える。
少しでも集中力を欠けば即座に【影真似の術】は解かれるだろう。
純粋なチャクラの力比べをしているようなものだが、既に身体の自由を取り戻し始めているペイン天道との圧倒的な力の差を思い知って、シカマルは歯噛みする。
「…相手の動きを封じる。なるほど便利な術だ。だが、そのぶん、持続力はないだろう。術が解けたその瞬間がおまえの最期だ」
冷静に【影真似の術】を分析したペイン天道の発言に、シカマルの印を結ぶ指から冷や汗が滴り落ちる。
その通りだ。もう一分ももたない。
その上、【影首縛りの術】はチャクラ消費量が激しすぎる。
影が揺らめく。とうとう、ペイン天道の足元に繋がっていた影が、ぷちり、と途切れた。
直後、ペイン天道はシカマルを殺そうと手を掲げる。
瞬間、背後から、風を切る音がした。
反射的に後手でつかみ取る。掴み取ったソレを見た天道は背後を振り返った。
そこには、今しがた【影真似の術】で己を縛
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