第十四話 真田家の人その十
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「もうね」
「わかっていなくてもなのね」
「普通だったのよ」
「そうだったのね」
「それでね」
そうした状況でというのだ。
「その次の代辺りからよ」
「わかってきたのね」
「そうなのよ」
これがというのだ。
「これがね」
「そうだったのね」
「大体さっきもお話に出たけれど」
真昼は夜空にあらためてという口調で言った。
「佐助様もはっきりしてないでしょ」
「生年は」
「没年はわかってるけれどね」
ただし薩摩で非公式にだ、表向きは十勇士は全員主君の幸村と共に大坂の陣で戦死したことになっている。
「けれどね」
「それでも生年は」
「はっきりしてないでしょ」
「そうよね」
夜空もそれはと頷いた。
「十勇士全員ね」
「佐々木小次郎さんだってね」
宮本武蔵のライバルだった彼もというのだ。
「巌流島の時お爺さんだってお話あるのよ」
「そうなの」
「一説にはだけれどね」
「若い美形だって思っていたら」
「そうも言われてるから」
「意外ね」
「ええ。まあ物語だとね」
こちらならとだ、真昼は話した。
「年齢重ねないでしょ」
「それはね」
姉にその通りだと答えた。
「それこそ作者さんの思うままね」
「十勇士ってずっと若いイメージあるでしょ」
「あるわ」
夜空も否定しなかった。
「どうもね」
「十勇士の方々って物語によく出るから」
「創作の世界で」
「元々講談とか小説で出て来たし」
そしてアニメや漫画でだ。
「だからね」
「そうした中だと歳取らないから」
「それでよ」
その為にというのだ。
「ずっと若いイメージなのよ」
「そういうことね」
「けれど実際はね」
現実はというのだ。
「やっぱりね」
「歳取って」
「それでね」
そうなっていてというのだ。
「寿命もよ」
「あるのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「絶対にね」
「じゃあ佐助様大坂の陣お幾つだったのかしら」
「四十代後半?」
真昼は少し考えてから答えた。
「幸村様が元服された頃にはもう十勇士揃っていたっていうし」
「元服の頃にはなの」
「公の没年が一六一五年でしょ」
「幸村様も十勇士の方々もね」
「幸村様が四十九歳で」
それだけでというのだ。
「公にはその年に戦死となってるし」
「だったら佐助様も他の十勇士の方も」
「大体それ位?」
「そうなのね」
「何となくそう思うわ」
「ううん、そうなのね」
「それで薩摩に逃れて」
大坂の陣からというのだ。
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