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金木犀の許嫁
第十四話 真田家の人その八

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「幸村様達はね」
「死んだということは」
「もうね」
 それこそというのだ。
「絶対によ」
「変わらないことね」
「秀頼公もね」
「実はっていうのは」
「もう伝説で」
 そう言われるものでというのだ。
「表の歴史にはね」
「ならないことね」
「そうしたものもあるのよ」
「そうなのね」
「歴史はね、それがどうしてかって聞かれたら」 
 そうされると、とだ。真昼は夜空に答えた。
「私具体的には言えないけれどね」
「何故かっていうのは」
「ちょっとね」 
 こう言うのだった。
「建前がどうとかじゃないかしらって思うけれど」
「歴史の建前?」
「公式見解っていうのかしら」
「表の歴史のそれなの」
「そういうのがあってね」
 それでというのだ。
「どうしてもね」
「そうしたことは言えないのね」
「ええ、それでね」
「幸村様についても」
「本当は生きておられたことが事実とされないことは」
「はっきりどうしてかはなのね」
「言えないわ、はっきりとね」
 真昼自身もというのだ。
「わからないしね」
「そうなのね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「幸村様生きておられて」
 大坂の陣でというのだ。
「薩摩に逃れられたから」
「それでなのね」
「私達もね」
 こう言うのだった。
「今ここにいるのよ」
「ご先祖様も同行して」
「薩摩に逃れて」 
 そうしてというのだ。
「生きていたからね」
「私達も生きているのね」
「子孫である私達もね」
「そうなるのね」
「若しもね」
 それこそという口調で言うのだった。
「ご先祖様が大坂の陣で死んでたら」
「私達もここにいないのね」
「実は大坂の陣の時佐助様達がお幾つだったかはね」
 このことはというのだ。
「よく知らないけれど」
「漫画とかじゃ少年忍者って感じだけれど」
「けれど実際の年齢は、でしょ」
「わかってないわね」
「けれど薩摩まで逃れたから」 
 幸村と共にというのだ。
「そこで子孫が残ったからね」
「私達もなのね」
「今こうしてね」
 まさにというのだ。
「いるのよ」
「ご先祖様に何かあったら」
「子孫もいなくなるでしょ」
「そうなるのね」
「まあ一説じゃ十勇士の方々は大坂の陣の時は結構なお歳で」
 三好清海入道に至っては九十七歳だったという説すらある、二十一世紀にしても結構以上な長寿である。
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