第十四話 真田家の人その七
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「見方も変わるしね」
「それもなのね」
「ローマ皇帝ネロだって」
この人物もというのだ。
「暴君の代名詞だったけれど」
「何か結構いい人だったみたいね」
「標準以上だったそうよ」
皇帝としてだ。
「平民や奴隷の人に寛容でね」
「気前がよくて」
「火事に対して陣頭指揮を行って」
ローマの大火にだ、火の粉がかかることを恐れずに指揮していたという。
「文化に理解が深くて」
「ちゃんと統治してたのよね」
「ローマの在り方もわかってたみたいだし」
その国家戦略も理解していたという。
「キリスト教を弾圧したら言われてたのよ」
「暴君だって」
「けれど短気なところはあっても」
そうした一面があったことは事実だった様で感情的になった行動も見受けられる。
「基本ね」
「まともな統治してたのね」
「キリスト教の弾圧も」
彼が悪く言われた原因もというのだ。
「ローマは宗教的に寛容なのに」
「他の宗教を認めなくて」
「しかも皇帝もね」
即ちローマの統治もだ。
「認めなかったから」
「弾圧したのね」
「そもそもカリギュラさんからだし」
この皇帝もその悪行は捏造が多いのではと言われている。
「別にね」
「あの人だけじゃないのね」
「そう、問題は軍隊を指揮したことがなかったことよ」
「全然問題ないんじゃないの?」
「いえ、当時は皇帝は軍隊を指揮するものだから」
そして戦いに勝つことが求められたのだ、その称号であるインペラトールとは軍の最高司令官という意味である。
「それでね」
「軍隊が指揮出来ないと」
「それが弱点になって」
そうであってというのだ。
「そこを政敵に衝かれてね」
「自殺に追い込まれたの」
「そうだったのよ」
「聞いててもそんなね」
「悪い皇帝じゃないでしょ」
「暴君どころか」
長い間の評価とは違いというのだ。
「結構ね」
「いい皇帝だったのよ、実際にね」
真昼はネロについてさらに話した。
「市民の人気は高くて」
「見ている人は見ていたのね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「亡くなってもお墓にお花が絶えなかったのよ」
「随分人気があったのね」
「若し暴君ならね」
「そんな人気ないわね」
「そうでしょ、人気があったから」
だからだというのだ。
「そこまでしてもらえたしね」
「亡くなってからも」
「悪い人じゃなかったのよ、歴史を調べると」
「そうしたことはわかるのね」
「けれどね」
それでもというのだ。
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