第十二話 ドクターマンの影その十
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「あの人は生きていたとな
「そうしたお話もあるんだよね」
「そうだったな」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「こう言ったんだ」
「生きているかも知れないか」
「若しかしたらと思ってるし」
「生きていればいいな」
バドは腕を組み真剣な顔で述べた。
「あの人は」
「やっぱりそう思うよね」
「是非な」
「そうだよね、ああした結末はよくないからね」
「そうだよな」
レオも言った。
「あの人はな」
「そうよね、本当は生きていたってね」
レオとアムも言ってきた。
「そうだとね」
「いいよな」
「どんな人でもね」
「ああした結末はよくないだろ」
「そう、何でも鹿児島の方に逃れて」
森はレオとアムにも話した。
「生きていたってね」
「そんな話があるんだな」
「そうなのね」
「そうなんだ、実際はどうかわからないけれどね」
「このお城を築いた加藤清正さんは豊臣家の家臣だったわね」
セラはこのことを話した。
「だから何かあったら匿おうとしていたのね」
「そうだよ」
森はその通りだと答えた。
「どうやらね」
「それじゃあ秀頼さんが若し生きていたら」
「鹿児島に逃れるまでにね」
「このお城に立ち寄って」
「あのお部屋にいたかも知れないよ」
「そうなのね」
「若しかしたらだよ」
森はこう前置きした。
「あちらにもね」
「そうなのね」
「まあ息子さんは大坂でね」
秀頼のというのだ。
「岸和田の方で匿われて」
「生きていたの」
「とある大名家の養子に入って」
そうしてというのだ。
「分家してね」
「生きていたの」
「お大名としてね」
「よく幕府にばれなかったわね」
「全くだな」
バドもそれはと言った。
「まさか幕府は見て見ぬふりをしていたのか」
「気付いていても」
「そうだったのか」
「まあ幕府にも考えがあったろうし」
森はそれでと答えた。
「特にね」
「何かしようとはか」
「一応処刑したことになってたし」
表向きにはというのだ。
「それじゃあね」
「もう死んだとしたからか」
「相手も言わなかったし」
秀頼の息子の方もというのだ。
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