第十二話 ドクターマンの影その九
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「昨日もだったけれどな」
「はい」
グリッタの返事は一も二もないものだった。
「私も好きですし」
「じゃあな」
「お昼はですね」
「ちゃんぽんだ、兵士達にも食わせてやろうな」
ゼットは笑顔で悠然と言った、そうしてだった。
シャドーラインの面々は昼は長崎ちゃんぽんを楽しんだ、兵達も食べてそのうえで満腹になったのだった。
ジュウオウジャーの面々は熊本城にいた、その天守閣の頂上から下を見上げてレオは唸って言った。
「絶景だよな」
「そうよね」
アムも喜んで言う。
「格好いい天守閣でね」
「そのうえ景色もいいなんてな」
「最高よね」
「いや、凄いお城だね」
タスクは唸ってこう言った。
「石垣もね」
「反り返ってたわね」
「うん、あれだとね」
タスクはセラに応えて話した。
「登るなんてね」
「無理よね」
「どんな人でもね」
それこそというのだ。
「無理だよ」
「空でも飛ばないと無理か」
風切はタスクの話を聞いてこう言った。
「それこそ」
「そうだよ、しかも石垣に伏兵置ける様になっている場所あるから」
タスクは風切にこのことも話した。
「尚更ね」
「登れないか」
「うん、こんな攻めにくいお城はそうはないよ」
「そんなに凄いか」
「大坂城も凄かったっていうけれど」
「豊臣秀吉さんの頃のだよな」
「今のあのお城は江戸縛の頃のものだから」
この時代に築城されたものであってというのだ。
「それでね」
「同じお城でも違うか」
「そうなんだ、それで秀吉さんの頃の大坂城もね」
「凄かったんだな」
「その守りはね、けれどね」
それでもというのだ。
「この熊本城ね」
「かなりなんだな」
「そうだよ」
「あの部屋が凄かったな」
門藤はしみじみとした口調でこんなことを言った。
「豪華絢爛でな」
「ああ、あのお部屋だね」
森が応えた。
「あそこ何でも豊臣秀頼さんをね」
「秀吉さんの息子の」
「あの人に何かあったら」
その時はというのだ。
「密かに匿ってね」
「そうしてなのか」
「過ごしてもらう為にね」
「造ったんだな」
「そうしたお部屋らしいね」
「そうだったのか」
「残念ながら秀頼さんは大坂の陣で死んだそうだけれどね」
森はこのことは残念そうに話した。
「どうもね」
「死んだそうか、そういえばだ」
ラリーはその話を聞いて言った、人間の姿だがゴリラの趣はない。
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