第十二話 ドクターマンの影その八
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「なれるかもな」
「声優ですか」
「若しかしたらな」
ゼットは四人で天主堂の中を歩き回りつつ話した。
「声優になったらトップにだ」
「なれますか」
「そうなるかもな」
「私がトップ声優にですか」
「何なら今からなるか?」
グリッタに楽しそうに笑って勧めた。
「応援するぜ」
「いえ、それはです」
グリッタはゼットに生来の真面目さを以て答えた。
「私はやはりです」
「シャドーラインの皇后さんだからか」
「ですから」
その為にというのだ。
「人間の世界には入りません」
「シャドーラインでだな」
「はい」
そうするというのだ。
「務めを果たしていきます」
「そうか、それならな」
ゼットはグリッタの言葉を受けて笑って話した。
「一緒にな」
「シャドーラインで、ですね」
「やっていこうな」
「それでは」
「ああ、しかし長崎にもいないみたいだな」
ゼットはグリッタに応えつつあらためて思った。
「ドクターマンは」
「はい、残念ですが」
「その様ですな」
ネロとモルクが応えた。
「長崎にもおりませぬ」
「どうやら」
「こうした色々な場所があって人が多くてな」
「しかも入り組んでいる感じですな」
「高低も激しく」
「そんなところにこそいそうだけれどな」
そう思ったがというのだ。
「案外な」
「いない様ですな」
「どうやら」
「ああ、まあ気長にいけばいいな」
ゼットはこうも考えて述べた。
「長崎にいなくてもな」
「他の街にいる」
「左様ですな」
「日本にいることは間違いないからな」
だからだというのだ。
「長崎にいないならな」
「他の場所ですな」
「そこを探しますな」
「そのうち見付かるからな」
探していけばというのだ。
「焦らなくていいんだよ」
「左様ですね」
「むしろ焦ってはなりません」
ネロとモルクは神妙に応えた。
「落ち着いてです」
「ドクターマンを探していきましょう」
「そうしような、あとちゃんぽんだけれどな」
ゼットはこちらの話もした。
「また食うか」
「よいですね」
「あれは実に美味いです」
「太い面で野菜や肉が沢山入っていてな」
ゼットはちゃんぽんの話を具体的にした。
「白い豚骨スープでな」
「あの様な美味いものがあるとは」
「長崎も侮れません」
「全くだ、じゃあグリッタ嬢昼はちゃんぽんでいいな」
彼女にも顔を向けて話した。
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