第十二話 ドクターマンの影その七
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「奇麗でな」
「ええ、何かと観る場所があってね」
「街並みも整っていてな」
「いい街ね」
「中華街もグラバー園もあってな」
「大浦天主堂もね」
「いい街だよ、食べものだってな」
こちらもというのだ。
「美味いしな」
「カステラとかちゃんぽんとかね」
泉は長崎名物の話をした。
「あるしね」
「ええ、後で皆でね」
「食べようね」
「路面電車の後はね」
「そうしましょう」
「いいな、しかし坂道が多い街だ」
こう言ったのは蝶野だった。
「それもまた景色としてな」
「いいわね」
「そう思う」
「だから坂道もね」
「歩くか」
「後でね」
「皆でな、しかしワゴンは人の姿になれば」
長い黒髪で色白でやや小柄で可愛らしい外見である、蝶野は人間の姿の彼女を見ても話をするのだった。
「普段とは違うな」
「そうかしら」
「うん、ロボットの時は色気があるけれど」
鈴樹がまさにと応えた。
「人間の時は可愛い奇麗な感じだよ」
「そうだよね」
「かなりギャップあるわ」
「まるで別人だ」
「声は同じでもね」
「最初に見た時は驚いた」
トッキュウジャーの他の面々も言うことだった。
「そうなるのかってな」
「本当にイメージと違ったわ」
「何か凄い色気の人かって思ったら」
「可愛くて奇麗だから」
「驚いたよ」
「俺達もね」
「そうなのね。けれど私は私よ」
そこはしっかりというワゴンだった、そうした話をしつつ七人で長崎の路面電車の中にいた。その長崎の大浦天主堂の中で。
ゼットは人間の姿のグリッタを見てだ、こう言った。
「いい感じだな」
「人間の姿になってもですか」
「ああ、アイドルみたいだな」
こう言うのだった。
「人間のな」
「私がアイドルですか」
「そうだ、そう言ってステージに出てもな」
「似合いますか」
「若しかしたらな」
ゼットは笑ってこうも言った。
「グリッタ嬢は人間の世界に生まれていたら」
「アイドルにですか」
「なっていたかもな」
「その声では確かに」
「有り得ますな」
ネロとモルクも言ってきた、二人も人間の姿である。
「確かに」
「それだけの可憐さですぞ」
「普段も可愛いがな」
ゼットは笑ってこうも言った。
「人間の時もな」
「アイドルになれるまでにですか」
「声優さんにもな」
この職業にもというのだ。
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