第十二話 ドクターマンの影その五
[8]前話 [2]次話
ニンニンジャーの面々は食べに行った、鰹のたたき等高知県の料理を楽しんだ。それは牙鬼軍団も同じで。
有明の方は軍鶏鍋を食べてからだ、こんなことを言った。
「これが龍馬さんの好物だったんじゃな」
「はい、京都でもよく食べていたそうです」
晦が答えた、今丁度店で雑炊まで全て食べ終わったところである。
「そして暗殺される直前にです」
「贖罪を買ってもらいにじゃな」
「人をやりました」
「そしてその直後にじゃな」
「刺客が来たのです」
「残念じゃのう」
「若しもっと生きていたならば」
どうだったかとだ、蛾眉は言った。
「どんなことをしただろうな」
「そのことを思うと残念であるな」
「奥方様もそう思われますか」
「うむ、話を聞くとのう」
有明の方は人間の姿で述べた、他の面々も人間の姿である。
「わらわはお館様一筋であるが」
「それでもですか」
「織田信長さんと同じくな」
戦国時代の彼と、というのだ。
「お館様の次によきおのこと思う」
「そこまでなのですね」
「うむ、長生きして欲しかったわ」
「全くだな、いい奴は長生きしねえとな」
牙鬼も言うことだった。
「そう思うと残念だな」
「お主もそう思うのう」
「ああ、本当に残念だぜ」
牙鬼は実際に残念そうに述べた。
「殺されたのがな」
「全くじゃな」
「その龍馬殿を偲んで、ですな」
晦もいささか残念そうに述べた。
「食しましたが」
「美味かったのう」
「全くですな」
「しかし結局幕末は長州と薩摩が中心になったが」
有明の方はこのことも話した。
「龍馬殿の土佐は少し落ちるのう」
「多くの者が新政府に入ったのですが」
「この二つの藩程ではなかったのう」
「そのことは事実です」
「そうであるな、まあわらわはどちらにおる者達も好きでじゃ」
それでとだ、有明の方は晦に話した。
「特に伊藤博文さんがじゃ」
「お好きですか」
「龍馬さんの次にな」
「あの人確かに面白いな」
牙鬼が見てもだった。
「痛快だよな」
「そうであろう、ただ出来るだけでなくな」
「気さくで飾らなくて身軽で剽軽でな」
「それでいて教養があってのう」
「面白い人だぜ」
「うむ、晦の次の家老にしたいわ」
「それ位の人だな」
「幕末と維新は面白い者が多いですな」
蛾眉が見てもだ。
「そう思いますと」
「うむ、ここに来てよかったのう」
「高知市に」
「残念ながらドクターマンはおらぬかも知れんが」
彼等も見付けられていないのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ