第二章
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「俺も同じだよ」
「その子がか」
「ああ、タコっていうんだ」
「ニャア」
チャトラの子猫を抱きつつオルティスに話した。
「うちの近くで拾ったんだが」
「どうだったんだ」
「かなり弱っていてな」
そうした状態でというのだ。
「最初俺が近付いたら威嚇してたよ」
「猫らしいな」
「それが弱っていたからな」
だからだというのだ。
「すぐに鳴かなくなった、動きもなくてな」
「それで簡単に捕まえられたんだな」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「今はこの通りだよ」
「あんたに懐いたか」
「有り難いことにな」
「それは何よりだな」
「病院に連れて行ってな」
サイモンはオルティスにさらに話した。
「獣医さんに診てもらってからだよ」
「弱っていたって言ったな」
「診てもらったら蚤だらけだったよ」
「そうだったか」
「弱っているうえにな、それで蚤取ってもらって栄養注射をしてもらってな」
そうしてというのだ。
「三日ヒーターや電気毛布であっためてな」
「元気になったか」
「三日でご飯食う様になって一週間でな」
それだけでというのだ。
「元気になったよ」
「それやよかったな
「今じゃ鼠のおもちゃ咥えてだよ」
タコを見つつだ、サイモンはオルティスに笑って話した。
「毎朝俺の顔の上歩いて起こすんだよ」
「面白い目覚まし時計だな」
「そうだろ、それで俺はこいつと一緒に暮らすからな」
「わしもか」
「俺よりずっと大勢の猫の面倒見てるよな」
このことを言うのだった。
「だったらな」
「猫達をか」
「これからも頼むな、俺もタコと一緒にいるからな」
「ああ、お互い頑張ろうな」
「お互いか」
「猫を大事にするのは同じだろ」
オルティスはサイモンに笑って応えた。
「数じゃなくてな、出来る限りでな」
「大事にしていけばいいか」
「だからお互いな」
「出来る限りでか」
「頑張ろうな」
「ああ、それじゃあな」
それならとだ、サイモンも頷いてだった。
オルティスと猫の話をさらにしていった、その間彼はタコをずっと大事に抱き締めていてオルティスは猫達にご飯をあげていた。それぞれ出来る限りのことで猫を大事にしていた。
猫と優しい人 完
2024・4・23
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