第4話:遺族への配慮が足りない……
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必要なのはムソーウ王国一般兵達の疲労とそれに伴う不安だ。ムソーウ王国軍が無茶すれば無茶するほど僕達が用意した毒は力を増す。浴びれば終わり……)
そう!ムソーウ王国は自信過剰な慢心による突撃一辺倒が祟ってイナオリの手の平で踊らされているのだ!
しかも、マッホーウ法国と同じ轍を踏んでいるのだ!マッホーウ法国の亡命を許可しておきながら。
やはり、オラウの言う通りにマッホーウ法国から敗因を訊き出すべきだったのだ。だが、ムソーウ王国もマッホーウ法国も自分達の一騎当千ぶりを過信してそれを怠ってしまったのだ。
故に……
「伝令!」
伝令兵が慌てて駆け込んで、片膝をつくのもめんどくさげに慌てていた。
「ん?どうした?」
「ヨツメ隊、未だに敵部隊と交戦せず!」
さっきまで機嫌が良かったイオナリの顔がみるみる青くなる。
「交戦せずだと!?それは本当か!?」
イオナリは必死に祈りつつ伝令兵の報告を聴くが、伝令兵の報告はイオナリの都合の悪い物ばかりであった。
「はい!1度も……しかも!それ以来、木を切る人がヨツメ隊が警備する(フリをしている)砦に戻って来なくなりました!」
「戻ってこないだと!?1人もか!」
伝令兵は沈黙した。これは、消極的な肯定でもあった。
それがイオナリにある嫌な予感を抱かせた。
「まさか……その敵部隊はヨツメ隊の空腹を待っているのか?」
奇しくも、ヨツメとイオナリの見解は一致したのだが、イオナリと一緒に伝令兵の報告を聴いた者はそれを否定した。
「それは無いと思いますよ」
そんな楽観的な意見に対してイオナリは激怒した。
「根拠は!?」
「いや……ですが、それだとムソーウ王国らしさとは明らかに違います」
「それくらい解っとるわ!だが現実を視よ」
楽観的な意見を言った部下を一喝すると、伝令兵に質問した。
「で、そのヨツメ隊と戦う気が無い部隊の名は?」
「オラウ・タ・ムソーウ……ムソーウ王国第三王女との事です」
そう、オラウはムソーウ王国恒例の単純過ぎる戦い方とは真逆過ぎる慎重でズルい戦術に拘り過ぎて、エイジオブ帝国最強の駒の警戒心を買ってしまったのだ。
「オラウ……」
さて……
あの砦と対峙してからまだ1週間。この程度ではあいつらはまだ参らんだろうな。
それに、今まで戦ってきたエイジオブ帝国の将校のあの賢さから考えて、そろそろ自分達が兵糧攻めを受けている事に気付いておるだろう。
……ん?
ドウカァー達が並んで私の前に立っている?
まさかと思うが……嫌な予感しかせんのう……
「オラウ様!」
うん……嫌な予感が更に増したのう……
「兄君であるカミカゼ様やマッホーウ法国から亡命なされたヌードン様は、既にエイジオブ帝国の砦を8つ以上も落としております!」
1週間で砦8個おぉーーーーー!?
これっ
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