第4話:遺族への配慮が足りない……
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けたい!
「確かに、私の戦技を使えばあの様な小砦を落とすのは容易い!」
我ながら随分見当違いな事を言っておるなぁ私。
「なら―――」
「だが、今はその時期ではない。しばし待て」
「何を言っておられるのです!我々は既に大分待ちました!寧ろ、我々の攻撃が遅過ぎて敵に……嗤われておりますぞ!」
……こいつは確かドウカァーとか言ったか?
この程度待たされるくらいで敵が私達の動きの遅さを嘲笑うって、この豊臣秀吉に徳川殿が三方原で犯した失策をやらせて味方を全滅させる心算なのか?
でも、ドウカァーは悪い人間じゃないし悪人に向いている性格とは言い難い。
そんな彼を間違った方向に向かわせたのは、ムソーウ王国が誇る一騎当千の戦技が蔓延させてしまった突撃至上主義と言う名の悪しき同調圧力。
こればかりはドウカァーだけが悪い訳ではない。寧ろ、致命的な間違いが蔓延している惨状に対して何の対策もしてこなかった王族に責任がある!だからこそ、そんな無責任な王族の1人である豊臣秀吉が蔓延した悪習を払拭する戦術を率先して行わなければならんのだ!
……なのになぁ……
ちょっと突撃を躊躇したくらいで直ぐ無能扱いするのを辞めて欲しいんだけどなぁ……
一方、オラウ大隊に包囲されているエイジオブ帝国の大隊長の『ヨツメ』は困っていた。
エイジオブ帝国の思惑とは程遠いオラウの動きに。
「あいつらぁ……何時になったらこの砦を攻めてくれるんだよ!?」
そう。
エイジオブ帝国の今回の作戦は、ムソーウ王国の無知蒙昧な突撃至上主義を想定しての事だからだ。
だが、肝心のオラウ大隊は突撃至上とは程遠い慎重路線。
しかも、
「それどころか、木を切る人がいっこうにこの砦に戻って来ません」
「戻ってこないだと!?1人もか!?」
「……はい」
部下の報告を聞いて愕然とするヨツメ。
「俺達はムソーウ王国をなめてたと言うのか?」
「と……申しますと?」
「あいつら、俺達の空腹を待っていると言うのか?」
そんなヨツメの嫌な予感を部下は否定する。
「ですが、あのムソーウ王国がその様な時間が掛かる作戦を行うとは思えません」
だが、ヨツメはそんな事前報告に惑わされている部下を叱りつける。
「じゃあ何でこの砦を出発した木を切る人が何時まで経っても帰ってこねぇ?あいつらが木を切る人のみを狙って攻撃してるとしか思えねぇだろ!?」
今回オラウが行っているのは、正にヨツメの予想通りである。
……だが。
オラウの様な慎重な戦いを行うムソーウ王国将校は、オラウだけであった。
その証拠に、戦況報告を受けたイナオリはムソーウ王国のエイジオブ帝国側の砦の落城数に驚愕しつつしてやったりな邪な笑みを浮かべていた。
(想定内ぃ……だが問題は無い!ムソーウ王国侵略計画に
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