第百二十六話 複雑な立場その九
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「炭鉱送りになったら」
「死ぬのと一緒ね」
「だからね」
「いや、戦争になったら」
一華はその場合を話した。
「兵役に就いていたら戦場に出てね」
「戦死ね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「どっちもね」
「命の危険があるから」
「だからね」
「どっちもどっちっていうの」
「そうじゃないかしらってね」
その様にというのだ。
「思ったけれど」
「そうなの」
「戦前の日本だと」
それならというのだ。
「別に兵隊さんになっても」
「なれること自体難しいし」
「後の就職有利だったそうだし」
「軍隊に入る位出来る人で」
「そこで鍛えられたから」
そうした人だとみなされてというのだ。
「よかったらしいけれど」
「あそこの徴兵制は」
「相当悪くないと徴兵されて」
そうしてというのだ。
「酷い環境で」
「自衛隊よりもずっと」
「自衛隊でも陸自さん結構扱い悪いらしいし」
これは人員が多い故の予算不足により居住環境に予算があまり回らないからだ、二十一世紀初頭でも海上自衛隊と航空自衛隊が五人部屋でシングルベッドだったのが陸上自衛隊では十数人の部屋でダブルベッドであった。
「苦労してるらしいけれど」
「その陸自さんよりもね」
「ずっとね」
「あちらは環境悪くて」
「お食事も悪くて」
そうであってというのだ。
「先輩とか上官が酷い」
「そんな状況で」
「だからね」
そうであってというのだ。
「本当にね」
「行きたくないのね、皆」
「それで戦争になったら」
その時はというのだ。
「真っ先にね」
「死ぬのね」
「そうなりかねないから」
一華はだからだと話した。
「あそこの徴兵制はね」
「北朝鮮の炭鉱となの」
「どっちもどっちかって」
その様にというのだ。
「思ったのよ」
「やっぱり炭鉱の方が嫌でしょ」
富美子はこう言ってきた。
「食べものないから」
「粗末どころか」
「あの国自体がそうで」
「食べものも何もなくて」
「そうした国で」
こう一華に話した。
「普通にね」
「食べられなくて」
「それで重労働で」
そうした状況でというのだ。
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